米国の「年末商戦」は堅調の見通し(米国)

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米国では、11月下旬の感謝祭翌日から12月24日のクリスマス・イブまでの期間を「年末商戦」と呼びます。最近ではセールの開始日が前倒しされる一方、クリスマス後も年末までセールが実施されるため、11月~12月の2カ月を「年末商戦」と呼ぶことも多いようです。「年末商戦」が始まる感謝祭翌日の金曜日は、小売業者の売上高が増えて黒字になることから、特に「ブラック・フライデー」と呼ばれます。

【ポイント1】2016年の「年末商戦」は堅調に推移する見通し

雇用・所得など消費者を取り巻く環境は良好

■今年の「年末商戦」は、11月25日の金曜日(ブラック・フライデー)から始まります。全米小売業協会(NRF)によれば、今年の「年末商戦」売上高は6,558億ドル、前年同期比3.6%増と予想されています。

■近年稀にみる暖冬の影響で季節商品の売り上げが振るわなかった昨年実績の同3.2%増はもとより、リーマン・ショックの影響から立ち直った2009年以降の7年間(2009年~2015年)平均の同3.4%増を上回る伸びとなる見込みです。良好な雇用・所得環境が、商戦を活況に導くと予想されます。

 

【ポイント2】オンライン商戦は引き続き好調

贈り物としてギフトカードなどが人気

■感謝祭の次の月曜日は、週末にお店で見た商品を、会社のパソコンやスマートフォンなどを通じて注文することからサイバー・マンデーと呼ばれ、オンライン商戦のスタートとされます。NRFは、今年の商戦期間中のオンライン売上高を前年同期比7%~10%増の1,170億ドル程度と見積もっています。

■商戦期間中の1人当たり支出予定額は約936ドルと、過去最高だった昨年の約953ドルに次ぐ額になりそうです。このうち589ドルほどが他人への贈り物に充てられる見込みです。贈り物としては、ギフトカード、洋服、書籍、CD、DVDなどの人気が高いようです。

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【今後の展開】米国経済は拡大基調を維持

■米国景気は拡大基調を持続する見通し

「年末商戦」の見通しから判断すると、米国の個人消費は拡大基調を続けると予想されます。トランプ次期大統領による拡張的な財政政策とともに、米国経済の拡大を支える要因になると見られます。

■株価は企業収益の拡大を織り込む展開へ

米国の株価は、景気と企業収益の拡大を織り込む展開が予想されます。ただし、トランプ次期大統領が通商面で保護主義的な動きを強めるようだと、市場の変動性が高まる公算もあり、注意が必要です。
(2016年11月24日)

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