資源価格の動向 原油価格は軟調だが、非鉄金属の価格が上昇
資源価格の動向 原油価格は軟調だが、非鉄金属の価格が上昇
【ポイント1】原油価格は軟調な動き
供給過剰が重石
■原油価格は、石油輸出国機構(OPEC)の協調減産合意との報を受け、10月に1バレル当たり50ドル台を回復しましたが、買いが続かず反落し、同40ドル台前半まで下落しました。
■総論(協調減産)には賛成でも、各論(国別の生産割り当て)での合意成立は困難との見方が強まったことや、エネルギー産業の規制緩和を唱えるトランプ氏が米大統領選挙に勝利したことなどが、原油価格の押し下げ要因となりました。
【ポイント2】非鉄価格は上昇基調
中国経済の立ち直りを好感
■原油価格とは対照的に、アルミニウムや銅、亜鉛といった非鉄金属の価格は上昇基調を辿っています。中国経済の減速懸念が後退したうえ、トランプ次期大統領の経済政策に沿った公共投資の拡大で米国の非鉄金属への需要が増えるとの思惑が強まったことなどが影響しています。
■国際商品の値動きを示す代表的な指数であるトムソン・ロイターCRB指数は、原油価格の影響が大きく、10月以降、冴えない動きとなっています。
【今後の展開】非鉄は堅調に推移しよう
■非鉄金属の価格については、急騰の後だけに短期的には調整の可能性もありますが、中期的には米国、中国をはじめとする世界経済の緩やかな拡大を背景に、底堅い展開が見込まれます。一方、石油価格は、11月のOPEC総会における国別の生産量割り当てが、当面の焦点となりそうです。
(2016年11月16日)
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