投資環境を考える③ 「債券」の特徴と見通し

<今日のキーワード>投資環境を考える③ 「債券」の特徴と見通し

「債券」とは、国や地方公共団体、事業会社、金融機関などが、資金を調達するために発行する有価証券のことです。債券は発行時に決められた条件での利払いと、償還日(満期)まで保有することで元本の返済が約束されています。発行後、償還まで、債券の価格は市場動向によって変化するため、途中で売買すると元本を上回ったり下回る可能性があります。「債券」は他の資産に比べて値動きが小さく、安定的な資産です。

【ポイント1】「債券」の価格は、金利変動の影響を受ける

債券は景気悪化局面に強い資産

■「債券」のクーポン(利息)は、発行時の市場の金利を基に決定されます。一般に、景気が良くなると金利は上昇し、景気が悪くなると金利は低下します。景気が悪くなって金利が下がると、金利が下がる以前に発行された債券のクーポンは相対的に高くなるので、魅力が増し、「債券」の価格は上昇します。逆に、景気が良くなると金利は上昇し、後から発行される「債券」のクーポンの方が相対的に高くなるので、金利上昇以前の「債券」の価格は下がります。つまり、金利と「債券」の価格は反比例の関係にあり、一般的に債券は金利が低下する景気悪化局面に強い資産ということができます。

 

【ポイント2】「債券」の信用度“格付け”

“格付け”の変化によっても、「債券」価格は変化

■「債券」の価格は、発行体の信用力の変化によっても上下します。発行体の信用力は、“格付け”と言われる、元本やクーポンの支払いの確実性を、AAAやAaaといったアルファベットで示したものが参考とされます。BBB格相当以上は投資適格債、BB格相当以下はハイ・イールド債と言われます。

■一般に、“格付け”が上がると「債券」の価格は上昇し、“格付け”が下がると「債券」の価格は下落します。“格付け”が高い物は利回りが低く、“格付け”が低い物は利回りが高くなることが一般的です。

 

 

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【今後の展開】緩和的な金融政策の下、「債券」は安定的な値動きが期待される

■景気の状況は各国で異なりますが、当面の世界経済は米国および新興国にけん引された緩やかな景気拡大が見込まれます。日欧を中心に緩和的な金融政策が続く見込みで、こうした国の「債券」は低い利回りながら安定的な値動きが期待できます。一方、高い経済成長が期待できる新興国では、相対的に高い利回りや、経済成長による財政状況の好転をうけての信用力の向上が「債券」の魅力となりそうです。
(2016年11月 2日)

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