「原油価格」、当面は堅調な展開へ(グローバル)

<今日のキーワード>「原油価格」、当面は堅調な展開へ(グローバル)

「原油価格」は油種により価格が異なるため、代表的な指標で値動きを見るのが一般的です。主な指標にはWTI(West Texas Intermediate)や北海ブレント、ドバイなどがあります。原油の生産地は中東地域に多く、同地域の産油国を中心に14カ国で構成される石油輸出国機構(OPEC)が原油の供給や価格形成といった面で重要な役割を担っています。

【ポイント1】OPECが減産で合意

国別の生産量割り当ては11月総会に先送り

■OPECは9月28日にアルジェリアで非公式会合を開き、協調減産で合意しました。内容は、加盟14カ国の生産量を9月実績の日量3,339万バレルから3,250~3,300万バレルに減産するというものです。

■10月12日には、この合意を非OPEC諸国に拡大するための非公式会議が、トルコのイスタンブールで開かれました。ただし調整が難航しそうな生産量の割り当てなどの具体策は、11月のOPEC総会に先送りされました。

 

【ポイント2】サウジアラビアが政策転換か

シェア維持から価格安定へ

■今回の合意形成の背景には、OPEC最大の産油国であるサウジアラビアの石油政策の転換があるとの指摘があります。これまでサウジアラビアは、政治的にも対立しているイラクの増産やシェールオイルなど新たな原油供給増に対して、危機感を強め、自国の生産を増やしてきました。

■ところが、「原油価格」の下落により財政収支が悪化しています。さらに、早ければ2017年にも国営石油企業のサウジアラムコを上場させる計画があります。上場を成功させるには、相応に高い「原油価格」が望まれます。

20161027mk

【今後の展開】原油価格は底堅い推移へ

■「原油価格」をWTI先物価格で見ると、年初に1バレル当たり30ドル台を割り込むまで下落しましたが、最近はOPECによる減産合意への期待の高まりなどから、同50ドル近傍まで回復しています。

■11月のOPEC総会で、生産量の国別割り当てを決定できるのか否かは不透明です。シェールオイルの増産なども見込まれますが、サウジアラビアの政策転換の見方を背景に、「原油価格」は底堅く推移すると予想されます。
(2016年10月27日)

印刷用PDFはこちら

今日のキーワード 「原油価格」、当面は堅調な展開へ(グローバル)

 

関連マーケットレポート

2016年 9月29日 原油価格の動向 OPECが減産で合意

2016年 5月10日 「サウジアラムコ」の上場(グローバル)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会