9月も「オフィスビル空室率」は低下(日本)

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「オフィスビル空室率」は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。空室率のほか、オフィスビルの平均賃料や棟数なども公表されており、オフィスビル市場を見る上で有益です。札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の7つのビジネス地区について、新築、既存ビルに分けられたデータとなっています。

【ポイント1】9月の都心5区の空室率は3.70%

賃料は前月比+0.08%と、33カ月連続上昇

■10月13日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の9月の「オフィスビル空室率」は、前月比▲0.20ポイントの3.70%となりました。空室率は7月に約8年ぶりに3%台まで低下したのち、8月、9月と一段と低下しました。

■堅調な需給を反映し、オフィス賃料の上昇も続いています。9月の都心5区の平均賃料は、坪当たり18,336円でした。前年同月比+4.22%、前月比+0.08%と、33カ月連続の上昇となっています。

 

【ポイント2】他の主要都市でも低下

新築ビルの供給は限定的

■9月は、都心5区だけでなく、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡の、全国7つのビジネス地区すべてで「オフィスビル空室率」が低下しました。

■9月のオフィスビルの供給状況を見てみると、東京が25棟と全体の2,590棟と比べて限定的でした。また、名古屋では5棟でしたが、他の主要都市では0~1棟とごくわずかでした。

 

 

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【今後の展開】空室率は低下傾向が続く見込み、金融緩和はリートにプラス

■空室率低下、賃料上昇の傾向は続く見込み

新規の供給が限定的な状況が継続しており、「オフィスビル空室率」の低下傾向は今後も続きそうです。こうした需給のひっ迫から、賃料相場も今後とも上昇傾向が見込まれます。

■日銀の金融緩和継続はリートにとって安心材料

日銀は9月の金融政策決定会合で金融政策の総括的な検証を行い、10年国債利回りを0%程度で推移させ、2%の物価目標の実現に向けて期限を定めず金融緩和を継続する方針を示しました。長期金利の低位安定が将来的に保たれる見通しとなったことはリート市場にとって支援材料と見られます。
(2016年10月17日)

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