引き続き堅調な米国の雇用統計(2016年9月)市場予想には届かなかったものの、雇用、賃金とも堅調

引き続き堅調な米国の雇用統計(2016年9月)

【ポイント1】雇用者数は15.6万人増

3カ月移動平均は19.2万人増
■2016年9月の非農業部門雇用者数は前月比15.6万人増となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同17.2万人増を下回りました。

■もっとも、8月の雇用者数が速報段階の同15.1万人増から同16.7万人増へと上方修正されたことを踏まえると、9月の雇用は実質的には事前予想に沿ったものだったと評価できます。雇用者数の3カ月移動平均は19.2万人と、20万人を割り込みました。

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【ポイント2】失業率は5.0%

賃金上昇率は前年比+2.6%
■他方、失業率は5.0%と前月(4.9%)よりやや上昇しました。就業者は増加しましたが、労働力人口の増加がそれを上回る形となりました。

■賃金上昇率は前月比0.2%増、前年同月比では2.6%増とほぼ市場予想通りの伸びとなりました。労働需給が引き締りつつあり、賃金は今後も緩やかに上昇する見通しです。

 

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【今後の展開】株、債券まちまちの反応
■今回の雇用統計の結果を受け、年内の利上げの可能性は後退しなかったと見られます。ただし、11月のFOMCでの利上げ観測は後退しました。こうしたことから米国債券市場は上昇(利回りは低下)しました。

■一方、米国株式市場は、発表当日の7日は下落したものの、週明けの10日には上昇に転じました。

■今後、賃金や物価の上昇率が低い水準で安定していることから、利上げは非常にゆっくりとしたペースにとどまる可能性が高いと考えられます。このため、株価は当面景気や企業収益の拡大を織り込む展開が続くと予想されます。国債利回りは低位で推移するものの、12月の利上げの可能性を睨んで神経質な展開となる見通しです。
(2016年10月11日)

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