中国は安定成長を目指し「目標」決定(中国)

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2016年の経済「目標」などを決める全国人民代表大会(全人代)が16日に閉幕予定です。全人代では経済成長率の数値目標が6.5%~7.0%に引き下げられ、安定成長の維持を重視する方針が示されました。市場は、安定成長を維持するための景気刺激策に注目しています。

【ポイント1】16年の経済成長率数値目標は、6.5%~7.0%

6.5%以上の成長率維持のため、機動的な財政・金融政策へ
■今年の経済成長率目標は、レンジで示されたことが特徴です。機動的な政策運営の狙いと「6.5%以上」へのこだわりが背景です。景気の下振れ圧力が強まり、6.5%を下回りそうな場合、機動的な財政・金融政策による景気テコ入れが期待されます。

■また、一層の景気の下振れを回避するため、固定資産投資や小売売上高は、15年の実績を上回る目標が決められました。

【ポイント2】安定成長の維持を重点課題の筆頭に

景気下振れ懸念に配慮
■政府は、経済の下振れ懸念に配慮し、安定成長を今年の重点項目の筆頭に挙げました。習主席が昨年後半に提唱した「供給側改革(インフラ投資や輸出への過度な依存から内需重視の経済構造への転換を進めること)」よりも優先させました。

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【今後の展開】安定成長維持のための景気刺激策を市場は期待

経済構造改革は今後5年間の課題
今回の全人代では、今年から始まる5カ年計画も決めました。その核心は、「供給側改革」と見られます。過剰生産能力の削減による企業の淘汰は、雇用の減少、不良債権の増加などの副作用を伴います。しかし、非効率な産業から成長産業への資源の再配分が、今後の中国の成長には不可欠と見られます。

これまでの政策を継続し、成長力強化へ
全人代では、これまでの「インターネット・プラス」、「国有企業改革」、「一帯一路」などの政策も重点項目として推進する方針を示しました。こうした政策で成長力を強化し、「供給側改革」などの痛みを伴う改革を推進する余力を生み出し、安定成長と構造改革の両立を長期の時間軸で目指すと見られます。

(2016年3月16日)

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