最近の指標から見る豪州経済(2016年3月)~設備投資の不振を消費で吸収し、景気は堅調に推移~

最近の指標から見る豪州経済(2016年3月)

【ポイント1】家計セクターは堅調を維持

労働市場は緩やかに改善
■3月2日に公表された2015年10-12月期の実質GDPは、前期比+0.6%となりました。前期の   同+1.1%から鈍化しましたが、市場予想の同+0.4%は上回りました。資源価格の低迷などから民間投資と純輸出は低調でしたが、雇用の改善を背景に堅調を維持した個人消費と住宅投資で補いました。

■雇用については、1月は雇用者数が前月比0.1万人の減少、失業率が同+0.2%ポイント上昇の6.0%となりました。過去2カ月の雇用が大幅に増えた反動であり、増加の基調に変化はないと考えられます。

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【ポイント2】物価は低位で推移

政策金利は当面、据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は3月1日に開催された政策会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。  インフレについては、前回と同様、賃金の伸びや海外の物価が抑えられた状況が続くため、今後1年から2年は低い水準にとどまる、との見方が示されました。

■インフレから判断する限り、利下げの余地はありますが、豪ドル安と雇用の回復を踏まえると、過去最低の政策金利は当面据え置かれると予想されます。

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【今後の展開】個人消費を軸に景気は回復基調を維持する見込み

■設備投資、輸出は今後も低迷が予想されますが、労働市場の改善を背景とする個人消費、住宅投資の拡大で吸収し、景気は緩やかな回復を続ける見通しです。

■豪ドルの対円レートは、中国経済をめぐる不透明感が払拭されるにつれて、徐々に落ち着きを取り戻してきました。中長期では日豪金利差の拡大などから、底堅く推移する見通しです。

(2016年3月10日)

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