米国の「スーパーチューズデー」(米国)

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米国の大統領選の候補者選びで、多くの州が集中して予備選挙や党員集会を実施する2月または3月の火曜日のことを「スーパーチューズデー」と言います。大統領候補としての指名を獲得するには、この日をうまく乗り切る必要があります。今年は3月1日に、民主党が11州と1自治領、共和党が11州で予備選と党員集会を開催しました。

【ポイント1】民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏が勝利

ともに地滑り的な大勝
■民主党はクリントン前国務長官が大票田のテキサス州をはじめジョージア州、アーカンソー州など7州と1自治領、サンダース上院議員が地元バーモント州など4州で勝利しました。一方、共和党はトランプ氏がジョージア州をはじめとする7州、クルーズ上院議員は3州、ルビオ上院議員は1州で勝利しました。

■有力紙のニューヨーク・タイムズによれば、これまでに獲得した代議員(候補指名の投票を行う人)の数は、民主党の総数4,765人に対しクリントン氏が1,052人、サンダース氏が427人となります。一方、共和党は総数2,472人のうちトランプ氏が319人、クルーズ氏226人、ルビオ氏が110人でした。

【ポイント2】支持層を拡大するトランプ氏

高まる既存政治家への不満
■共和党のトランプ氏の支持者は、低所得の白人男性が中心とされてきましたが、そればかりではなく若年層から高齢層、高所得層、さらには不法移民に対して厳しい批判を浴びせてきたヒスパニック(中南米)系まで、支持層を広げているようです。

■民主党では、社会民主主義を標榜するサンダース氏が一定の支持を集めていることと合わせて考えると、米国内における経済的格差の拡大、それに対して有効な対策を打ち出せない既存の政治家への不満の高まりなどが、背景にあると見られま。

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【今後の展開】大統領選挙はクリントン、トランプ両氏の争いへ

クリントン氏、トランプ氏が優位
民主党サンダース氏、共和党クルーズ氏ともに、7月の党大会まで予備選を続行する意向のようです。ただ、「スーパーチューズデー」での大勝を踏まえると、民主党ではクリントン氏、共和党ではトランプ氏が大統領候補に選出される可能性が高い情勢です。

TPPの発効が遅れる可能性も
トランプ氏は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対、クリントン氏は不支持です。今年2月4日に参加12カ国が協定に署名しましたが、現政権中に手続きの進展がなければ、どちらが大統領になっても、発効が遅れる可能性があります。

(2016年3月4日)

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