ブラジルの金融政策(2016年3月)~5会合連続で政策金利据え置き~

ブラジルの金融政策(2016年3月)~5会合連続で政策金利据え置き~

【ポイント1】6対2で据え置きを決定

2名は0.5%の利上げを主張
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は2日、政策金利を14.25%に据え置くことを発表しました。前回1月の会合と同様に、8名の委員のうち6名が政策金利の据え置きを主張した一方、2名が0.50%の利上げを主張しました。

■政策金利の据え置きは、15年7月に0.50%の利上げを行った後、同年9月から5会合連続となり、市場の大方の予想通りの決定でした。

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【ポイント2】景気と物価の両方を警戒

景気に配慮し利上げを見送り
■消費者物価指数は、16年2月(月前半)に前 年同月比+10.84%と5カ月連続で上昇しており、年末時点でも同+7%台半ばに高止まると見られています。実質GDP成長率は、国際通貨基金 (IMF)が15年は前年比▲3.8%、16年は同▲3.5%と予想しているように、2年連続のマイナスになる見込みです。

■物価高と景気後退の長期化が懸念される状況下、中銀のなかでは景気を配慮する委員が優勢となり、利上げが見送られました。

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【今後の展開】政府・中銀の景気への配慮で、景気見通し改善が待たれる

■■ブラジルレアルのこれまでの下落を受け、物価押し上げ懸念から利上げ観測は消えにくいと思われます。ただし、昨年12月に財政緊縮に積極的だった財務相が更迭されるなど、政府は景気への配慮を強めて おり、中銀もすでに景気重視に傾いています。

■政府・中銀が景気への配慮を強めた影響は、消費者信頼感指数の改善にあらわれていると見られます。レアルは原油価格の反発などから足元で下げ止まりつつあり、市場の景気見通しが改善すれば、レアルが持ち直す要因になると期待されます。

(2016年3月3日)

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