メキシコ中銀が緊急利上げ、政府は歳出削減策を発表

メキシコ中銀が緊急利上げ、政府は歳出削減策を発表

【ポイント1】臨時会合で0.50%利上げ

米国の利上げに先行
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は17日、臨時会合を開催し、政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、3.75%とすることを発表しました。

■中銀は、昨年12月に米国の利上げに追随して政策金利を0.25%引き上げた後、2月4日の前回会合では据え置きとしていました。市場の大勢は、中銀が今後も米国に沿って緩やかに利上げを進めると見ていたことから、米国が追加利上げを行う前の利上げは、予想外の決定となりました。

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【ポイント2】通貨安を警戒

ペソ安定化策の変更も発表
■中銀は同日、利上げの発表に先立ちメキシコペソ安定化策の変更を発表しました。従来は事前に実施条件や金額を公表してペソ買い介入を実施していましたが、今後は状況に応じて非公表で実施するとしました。市場参加者から中銀の行動が見えにくくなり、ペソ売りを仕掛けにくくなる効果を狙ったと見られます。

■中銀は、前回の会合以降、世界的に市場の変動が拡大し、ペソ安による物価上振れリスクが強まったとしました。今後もペソの動きや米国の金融政策を注視しながら、利上げを行っていく方針と見られます。

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【今後の展開】政府は歳出削減を発表、政府・中銀の取り組みがペソを下支え

■17日は、緊急利上げとペソ安定化策の変更という中銀の予想外の発表を受け、ペソは上昇しました。対米ドルでは前日比2.7%、対円では同2.9%のペソ高になりました。

■17日には、政府が1,323億ペソ(約8,200億円)の歳出削減策を発表しました。中銀と政府が協調して物価抑制や財政再建に取り組む姿勢は、ペソの下支え要因になると思われます。

 

(2016年2月17日)

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2016年 2月 5日 メキシコの金融政策(2016年2月)

2016年 1月28日 米国の金融政策(2016年1月)

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