FOMC「議事要旨」(米国)

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米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)の約3週間後に「議事要旨」を公表しています。「議事要旨」では、毎会合でのFOMC声明や、年4回の会合でのFOMCメンバーの経済見通しおよびFRB議長の記者会見と同様、今後の金融政策を見通す上で重要な手掛かりが示されることが多く、市場関係者の注目する材料になっています。

【ポイント1】雇用と物価は利上げの開始基準を満たす

この点ではほぼ全ての参加者が合意
■2015年12月15日、16日に開催されたFOMCでは9年半ぶりの利上げが決定されました。そしてその会合の「議事要旨」が2016年1月6日に公表されました。今回の「議事要旨」では、労働市場の改善と物価が中期的に2%へ上昇するという確信が、利上げ開始の基準を満たしたという点で、ほぼ全ての参加者が合意していたことが明らかになりました。

【ポイント2】物価の議論が活発に

リスクや不確実性の指摘も
■今回は物価に関する議論が多くみられました。参加者は物価が中期的に2%へ上昇することについて合理的に確信しているとしたものの、一部の参加者は物価予想に対するリスクが依然として大きいとの認識を示しました。

■そのため「議事要旨」では、物価目標に対する実際の物価の動きや先行きの見通しを注意深く見守る方針が表明されました。また一部の参加者が、物価動向の不確実性のため、利上げは「ぎりぎりの判断」だったと述べていたことも判明しました。

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【今後の展開】FRBは政策決定にあたり、物価をより重視することになろう

■今回の「議事要旨」では、先行きの利上げペースに関する新たな手掛かりは得られませんでした。しかしながら物価についての不確実性や、見通しに関するリスクなどが明記されたことから、FRBは今後の政策決定にあたって、物価動向をより重視するようになると思われます。

■現在フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利上げのペースは、0.25%ずつ年2回程度ですが、FRBのフィッシャー副議長は1月6日、この織り込み度合いは低すぎると述べました。この先、米国の物価動向に対する金融市場の感応度は、一段と高まることが予想されます。

(2016年1月8日)

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