モディノミクスのカギをにぎる「予算国会」(インド)

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モディ政権は、外国企業の誘致や民間企業の投資を促進し、経済構造改革(モディノミクス)を進めてきました。しかし、与党のインド人民党(BJP)が上院では少数にとどまるため、野党の反対により市場の期待が高い物品・サービス税(GST)導入法案の制定や土地収用法案の改正などが実現せず、改革の足踏みが指摘されています。2月下旬に始まる「予算国会」での前進が期待されます。

【ポイント1】野党との対立が緩和、ビジネス環境改善につながる法整備が進展

GST法案は足踏みも、モディノミクスは前進
■2015年11月26日から12月23日にかけて、「冬季国会」が開催されました。GST法案は、下院を通過済みですが、今回も野党の反対により上院を通過できませんでした。

■ただし、野党との対立は、全面的に空転した7月から8月にかけての「モンスーン国会」と比較して緩和しています。「冬季国会」では、政府が提出した、商取引の係争解決円滑化を目指す2法案が議会を通過しました。ビジネス上のトラブルを特別に扱う法廷の設置や、調停の迅速化に向けた具体策の実施などが外国企業によるインドへの投資活発化につながると期待され、モディノミクスはまた前進したといえます。

【ポイント2】「予算国会」でGST法案審議

野党の支持拡大で成立の可能性
■次期の国会は、例年2月下旬に開始され途中休会をはさんで5月上旬まで続く「予算国会」となります。政府が2016年4月から2017年3月までの次年度の予算を発表し、審議される予定です。

■予算案に加え、政府はGST法案を再度上程する方針です。年末にジャイトリー財務相は、野党の間で同法案への支持が広がりつつあるとし、「予算国会」での成立に自信を示しました。モディノミクスが大幅に前進するか、注目されます。

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【今後の展開】法制面でのビジネス環境改善による経済の活性化に期待

世界銀行グループによる2015年の「ビジネス環境ランキング」でインドは130位ですが、モディ政権は改革を進めて50位以内を目標に改善を図り、海外からの投資を増やす姿勢です。

政府は、企業の不良債権処理や破たん処理を巡る法制も整備する方針です。「予算国会」で法制面でのビジネス環境の改善が進み、経済の活性化につながることが期待されます。

(2016年1月5日)

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