トルコの金融政策(2015年12月)~予想外の政策金利据え置き~
トルコの金融政策(2015年12月)~予想外の政策金利据え置き~
【ポイント1】各種政策金利を据え置き
大方の利上げ予想と異なる決定
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は22日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限を10.75%に、下限を7.25%に、それぞれ据え置くことを発表しました。
■ブルームバーグの事前調査では、エコノミスト22名中、1週間物レポ金利を据え置くとの予想は6名と少数で、残りの16名は0.25%から1.00%の引き上げを予想していました。16日の米国利上げに追随する見通しが大勢でした。
【ポイント2】引き締めスタンスを継続
米国利上げの影響を見極め
■中銀は、2014年1月にリラ防衛のため大幅に利上げして以降、利下げを限定的にとどめて金融引き締めスタンスを続けています。現行の政策を維持しながら、米国利上げのリラや物価への影響を見極める方針と見られます。
■景気を重視する与党公正発展党(AKP)が11月の再選挙を経て単独政権を回復したこともあり、市場では中銀は利上げしにくいとの見方もあります。政治の安定はリラの支援材料ですが、中銀の独立性への懸念は、リラの上値を抑えそうです。
【今後の展開】金利見通しが割れる状況
■中銀は、市場の変動が落ち着く場合、次回会合(1月19日の予定)から金融政策を「簡素化」する方針を示しました。市場は、中銀が最終的に政策の指標金利を1週間物レポ金利に一本化すると見ていますが、政策変更については利上げ・利下げ両方の見方があり、不透明感がやや高まっています。
(2015年12月24日)
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