2015年を振り返るキーワード 「TPP」(日本)

<今日のキーワード>2015年を振り返るキーワード 「TPP」(日本)

「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」は、太平洋を囲む12カ国で、関税撤廃と、ヒト・モノ・サービス・投資の自由化を進め、さらには、知的財産権、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築するものです。

【ポイント1】アベノミクスの重要テーマの1つ

長い道のりを経て大筋合意へ
■TPPは、成長が著しいアジア太平洋地域で貿易や投資の拡大を通じて、域内経済の活性化を目指します。日本はTPP協定により、大企業だけでなく、中小企業や地域産業もアジア太平洋地域の市場とつながることが可能となり、経済成長の促進が期待されます。TPPは安倍首相によって成長戦略の切り札と位置づけられているように、アベノミクス旧3本の矢のうち第3の矢(民間投資を喚起する成長戦略)を具体化した重要施策の1つです。

■2015年10月5日、TPP協定交渉が、長い道のりを経て大筋で合意に至りました。参加国は自国内の議会承認が必要となり、手続きが進んでいます。

【ポイント2】TPP大綱まとまる

新3本の矢とも密接に関連
■日本政府は11月25日に、国内対策をまとめた「総合的なTPP関連政策大綱」を決定しました。TPP大綱はアベノミクス新3本の矢とも密接に関連しています。アベノミクス新3本の矢では、第1の矢(強い経済)で目標とする名目GDP600兆円の積み上げに、TPPによる輸出やインバウンド消費が前提とされています。TPPは強い経済作りの土台と位置付けられます。

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【今後の展開】2016年春にもTPP発効か

■米議会で来年2月以降審議が本格化
TPPが発効するためには、米国の批准が欠かせません。オバマ大統領がTPPに署名する意向を議会に通知したことで、来年2月以降、議会ではTPPの承認に向けた審議が本格化する見通しです。議会による承認のタイミングは大統領予備選の山場である3月までと期待されます。

■日本は通常国会で審議、各国も批准なるか
日本の審議は、通常国会で来年4月以降行われると見られます。2016年度予算案の審議が優先されることに加え、米国の動きを見極めたいとの考えがあると思われます。各国も米国の動きを見ながら、それぞれ議会の承認手続きを進める見込みです。TPPが発効する時期がいよいよ近づいています。

(2015年12月22日)

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