2016年の「FOMCメンバー」はタカ派寄り?(米国)

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金融政策の決定に関する議論が行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、7名の理事(うち議長と副議長が各1名)と5名の地区連銀総裁が投票権を有します。このうち理事とニューヨーク地区連銀総裁は常任メンバーで、残りのメンバーはその他の地区連銀総裁が輪番制で1年間担当します。そのため投票権を持つ地区連銀総裁(ニューヨーク地区連銀総裁を除く4名)は毎年入れ替わることになります。

【ポイント1】景気重視ならハト派、物価重視ならタカ派

投票権を持つメンバーの政策スタンスに注目
■一般に米国の金融政策を見通すにあたって、FOMCで投票権を持つメンバーの金融政策スタンスが注目されます。景気を重視する政策スタンスであれば「ハト派」、物価を重視する政策スタンスであれば「タカ派」、その中間であれば「中立」と分類されます。

【ポイント2】来年はタカ派色が強まる

利上げペースに影響か
■2015年に投票権を持つメンバーの政策スタンスを確認すると、タカ派とみられるのはリッチモンド地区連銀のラッカー総裁のみで、総じてみればハト派色の強い陣容となっています。

■そこで2016年に投票権を持つ地区連銀総裁の政策スタンスを確認すると、セントルイス地区連銀のブラード総裁、カンザスシティ地区連銀のジョージ総裁、クリーブランド地区連銀のメスター総裁がタカ派、ボストン地区連銀総裁のローゼングレン総裁はハト派とみられます。そのため2016年のFOMCメンバーは2015年に比べてタカ派色が強まる見通しです。

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【今後の展開】それでも利上げペースは極めて緩やかなものになる見通し

■通常の利上げ局面では、タカ派のFOMCメンバーが多いと利上げペースは速まりやすいと考えられますが、今回は前例のない非伝統的金融政策からの脱却となるため、それほど単純ではないようです。

■11月18日に公表されたFOMC(10月27日、28日開催分)議事要旨や、2016年に投票権を持つ一部タカ派メンバーの最近の発言でも、利上げペースに関して「徐々に(gradually)」という表現が用いられています。

■そのため今回は、利上げ開始後のペースは極めて緩やかなものにとどまる可能性が非常に高いとみられます。

(2015年12月1日)

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