最近の指標から見る米国経済(2015年11月)~内需を軸に緩やかな成長が持続~
最近の指標から見る米国経済(2015年11月)~内需を軸に緩やかな成長が持続~
【ポイント1】雇用は順調に拡大
失業率は完全雇用の水準まで低下
■10月の非農業部門雇用者数は前月比27.1万人の増加でした。雇用の増加ペースを3カ月移動平均で見ると、月平均18.7万人となります。失業率は5.0%と、完全雇用の水準まで改善しました。
■同月の小売売上高は前月比+0.1%にとどまりました。市場予想の+0.3%を下回りましたが、良好な雇用環境を踏まえると、今後は持ち直す可能性が高いと考えられます。
【ポイント2】ISM非製造業指数が急伸
製造業指数は低下
■10月のISM指数は、製造業が50.1と好不況の分岐点となる50近くまで低下したのに対し、非製造業は前月の56.9から59.1に大幅な上昇となりました。ドル高などによる輸出の伸び悩みから製造業が停滞しているのに対し、良好な雇用環境を背景にサービス業が好調を維持していることを示唆するものです。
■ISMの製造業指数と非製造業指数を、GDPに占める各々のシェアで加重平均した合成指数は、米国経済の活動状況を表すと考えられます。その合成指数は、国内需要の成長率が来年の1-3月期にかけて加速することを示しています。
【今後の展開】年内に利上げ開始の見通しだが、ペースは緩慢なものとなろう
■景気、雇用の堅調な拡大を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今年12月に利上げを開始する見通しです。
■もっとも、インフレが低位で安定していることから、その後の利上げペースは極めて緩やかなものになると予想されます。
(2015年11月20日)
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