「FOMC議事録」と金融政策(米国)

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「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC終了直後に公表される声明文で景気や物価、金融政策に関する判断が明らかにされますが、議事録はその判断に至るまでの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができます。10月27日~28日に開催されたFOMCについて、11月19日に議事録が公表されました。

【ポイント1】 12月利上げの可能性を示唆

世界的な経済、金融市場の混乱に対する警戒感が後退
■ FOMC終了直後に公表された声明文では、9月の前回会合で示された経済、金融市場の世界的な混乱に対する警戒的な見方が削除される一方で、「次回会合で利上げの妥当性を議論」するとの文言が挿入されました。

■「議事録」によれば、「次回会合での利上げ開始が、おそらく適切になるという見解」を伝達することが狙いだったようです。12月に開催される次回FOMCでの利上げの可能性を強く示唆したものといえるでしょう。利上げのペースについては、緩やかとの見方でおおむね一致しました。

【ポイント2】 景気に対する評価は分かれる

インフレは目標の2%に向かって緩やかに加速との見通し
■景気に対する評価は、3つに分かれたようです。一部は利上げに必要な経済面での条件は「既に満たされた」とした一方、大半のメンバーは「次回FOMCまでに満たされる可能性が高い」と予想しました。このほか、「12月までに入手できる情報が利上げの妥当性を示す公算は小さい」と判断したメンバーも少数ながら存在したようです。

■インフレについては、引き続き目標の+2%を下回っていますが、エネルギー価格下落とドル高の影響が一巡するにつれて上昇するとの見方でおおむね一致しました。

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【今後の展開】 12月に利上げ実施の見通し

■「景気、雇用の堅調な拡大を踏まえると、米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月に利上げを開始する可能性が高いと考えられます。

■ もっとも、インフレが低位で安定していることから、その後の利上げペースは極めて緩やかなものになると予想されます。

(2015年11月20日)

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