最近の指標から見る豪州経済(2015年11月)~緩やかな景気回復、物価の安定が継続~

最近の指標から見る豪州経済(2015年11月)~緩やかな景気回復、物価の安定が継続~

【ポイント1】企業の労働需要は堅調

リーマンショック後の最安値に迫る
■10月の雇用者数は前月比5.9万人の増加となりました。月ごとの振れを均すために、政府公表のトレンド値を見ると+1.9万人でした。前月の+2.1万人から鈍化しましたが、引き続き高い水準を維持しています。一方、失業率は9月の6.2%から5.9%に大きく低下しました。失業率の6%割れは今年5月以来5カ月振りのことです。

■企業の景況感指数は、労働需要が拡大基調にあることを示唆しています。個人消費も、9月の小売売上高が前年比+3.7%と+4%前後の伸びを維持しました。

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【ポイント2】物価は低位で安定

政策金利は6会合連続据え置き
■7-9月期の消費者物価指数は、前年同期比1.5%の上昇でした。豪州準備銀行(RBA)の物価目標である+2%~+3%の下限を引き続き下回っています。今後も、賃金上昇率や原油価格が低位にあることから、安定的に推移する見込みです。

■RBAは、11月3日の会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。6会合連続の据え置きです。緩やかな景気回復と低インフレの持続により、過去最低の政策金利は当面据え置かれそうです。

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【今後の展開】景気は緩やかな回復が継続、豪ドルは徐々に底堅い推移へ

■景気は、輸出、設備投資が低迷しているものの、これまでの利下げの効果により民間消費、住宅投資が堅調に推移していることから、緩やかな回復を続ける見通しです。

■インフレは、賃金の伸び悩みや資源価格の下落などにより、当面低位で推移する見込みです。

■豪ドルの対円レートは、豪州の景気回復の持続見通しなどから、底堅い推移が予想されます。

(2015年11月13日) 

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