資源価格と資源企業(グローバル)

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中国の景気減速観測などを背景に資源価格が下落傾向にあります。関連する資源企業の業績悪化が、広範な信用不安に発展するのではないかという懸念も取りざたされ、市場の材料となっています。足元では、そうした企業の株価下落にも行き過ぎ感が強まり、株価に底入れした動きも見られます。底入れの動きが本格化するには、資源価格と関連企業の業績見通しの底入れが必要と考えられます。

【ポイント1】格付け会社による見通し変更をきっかけに不安感が強まる

資源価格の下落による業績悪化見通しが背景
■最近の資源企業の業績を巡る不透明感の高まりは、格付け会社による見通しの引き下げがきっかけでした。9月2日、大手格付け会社S&Pは、スイスの資源大手グレンコア社の格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に変更しました。資源価格の反転上昇が見込まれないなか、業績の悪化が大幅となり、信用不安に発展する懸念が高まりました。中東の政府系ファンドでの投資損失拡大も報道され、影響が広範囲に及ぶリスクが意識されました。
■資源価格の下落は、中国の景気減速で、資源需要が低迷するとの見方が主な背景です。資源価格の底入れ、反転には中国の景気に対する不透明感が和らぐ必要があると見られます。

【ポイント2】債務圧縮計画で安心感

配当停止、資産売却、増資へ
■グレンコア社の株価下落が止まらず、同社への信用保証料が急騰したため、市場全体のリスク回避の動きが強まることにもつながりました。いわゆる「グレンコア・ショック」です。
■同社は、資産売却と増資などを通じて債務を圧縮する計画を発表し次第に市場の不安心理が和らぎました。9月末にかけては同社株が反発、信用保証料が低下しています。
 (※)個別企業に言及していますが、当該企業への投資等を推奨するものではありません。

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【今後の展開】資源企業の業績悪化底入れには、資源価格の安定化が必要

■中国の景気がカギ
資源価格の安定化のカギとなる中国の景気については、金融緩和と景気対策の余地から底割れは回避される見込みです。資源価格も徐々に安定化に向かうと考えられます。

■資源価格安定化で企業の業績底入れへ
資源企業の業績見通しが底入れするには資源価格の安定化が必要と見られます。債務圧縮計画などで一旦は落ち着きを取り戻しましたが、資源価格の動向に引き続き注目する必要がありそうです。

(2015年10月2日)

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