最近の指標から見る欧州経済(2015年9月)~金融緩和強化で、緩やかな景気回復持続を期待~
最近の指標から見る欧州経済(2015年9月)
【ポイント1】景気は緩やかに回復
消費と輸出が回復を主導
■ユーロ圏の4-6月期の実質GDP成長率は前期比+0.4%と、緩やかな景気回復を示しました。
■景気の先行きへの不透明感から投資は減少したものの、ユーロ安や原油安の恩恵を受け、個人消費や輸出が比較的堅調で、緩やかな回復を主導しました。
【ポイント2】物価は低位で推移
企業向け貸出は増加
■9月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)は、3カ月連続して低下したものの、好悪の判断の境目となる50を上回っています。これまでの欧州中央銀行(ECB)による金融緩和の効果が表れ、企業向け貸出も前年同月比増加に転じています。
■消費者物価指数の前年同月比上昇率は、4月にマイナス圏を脱したものの、8月は同+0.1%の上昇にとどまりました。原油安などから、輸入物価が下落幅を再び拡大していることが主な要因です。
【今後の展開】金融緩和強化による、景気と物価のサポートを期待
■足元では、新興国経済の減速などによる景気の下振れ、原油などの資源価格の戻りが鈍いことによる物価の下振れが懸念されます。ECBのドラギ総裁は景気の下振れリスクが高まった場合、一層の金融緩和をためらわない姿勢を示しています。金融緩和強化により緩やかな景気回復が持続することが期待されます。
(2015年9月29日)
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