「個人消費」の回復シナリオは不変(日本)

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6月の「個人消費」は、長雨などの天候不順の影響もありやや低調に推移しましたが、7月は、好天に恵まれたことなどから夏物衣料や飲料、エアコンなどの夏物商材を中心に持ち直しました。中国をはじめ、世界的な景気下振れへの不安感が和らげば、「個人消費」の回復は、今後も持続すると見られます。

【ポイント1】7月は幅広い業態で伸びが加速

好天に恵まれ夏物商材がけん引
■7月は百貨店やスーパー、コンビニなど幅広い業態で売上の伸びが前月より加速しました。7月中旬以降、好天に恵まれたことから、夏物衣料や飲料などの夏物商材の動きが活発化しました。
■百貨店では、衣料品や身のまわり品が堅調でした。また、外国人旅行者によるインバウンド消費も引き続き好調でした。スーパー・チェーン店では、食料品やエアコンなどの住宅関連商品が伸び、コンビニでは、飲料やアイスクリームなどの売れ行きが好調でした。

【ポイント2】地方の主要都市も堅調

シニア層やインバウンド消費の取り込みに注力
■7月の全国百貨店売上高を地区別に見ると、札幌、仙台、東京、大阪、名古屋、福岡などの主要10都市合計は前年の同じ月と比べ高い伸びを示しましたが、10都市以外の地区はマイナスとなりました。「個人消費」の回復は、これまでのところ主要都市圏が中心で、今後周辺地域への波及が期待されます。
■百貨店では、地方での売上高を伸ばす施策として、シニア層や富裕層の需要を取り込むため、顧客を訪問し注文を取る外商部門の強化を図っているところもあります。また、インバウンド消費の取り込みにも注力し、品ぞろえや顧客対応に力を入れ、消費喚起を狙っています。

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【今後の展開】「個人消費」回復のサポート材料は多い

■中国の景気対策に期待
足元では、中国の景気減速懸念を背景として世界的に金融市場が不安定となりました。中国の景気は、景気対策の余地から大きな下振れは回避されそうです。主要国の金融緩和もあり、世界経済の緩やかな拡大は持続すると見られます。

■賃上げや燃料安が追い風
世界経済への懸念が和らげば、日本の「個人消費」は、企業収益の拡大と賃金上昇が支える展開が持続する見込みです。低金利による住宅投資の回復、原油安によるガソリン・電気料金の低下も「個人消費」を支える要因です。

(2015年8月28日)

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