世界同時株安と日本株の見通し~中国の景気下振れリスクが最大の焦点~

世界同時株安と日本株の見通し~中国の景気下振れリスクが最大の焦点~

【ポイント1】日経平均株価は連日の大幅安

中国発、世界景気の減速懸念強まる

■24日の日経平均株価は大幅続落となり、前日比▲895.15円の18,540.68円でした。今年7月上旬の中国株式市場混乱時の安値を大幅に下回り、約半年ぶりの安値水準となりました。先週発表された中国の企業景況感と米国の景気先行指数がともに下振れたことをきっかけに、世界的な景気減速懸念が強まり、主要株式市場下落の背景となっています。
■この日の中国株式市場も大幅安です。上海総合指数は、日本時間の15時現在で前週末比▲7.2%と、5か月ぶりの安値水準に下落しています。7月以降の政府の株価対策が効いていない状況です。

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【ポイント2】世界同時株安の様相

リスク回避の円高も進む

■21日の欧米市場でも株安が進んでおり、世界同時株安の様相です。先週のNYダウは火曜日以降連日の下落となり、昨年10月以来の安値水準となりました。全般的なリスク回避の動きが強まり、円高も進んでいます。米ドル円レートは、日本時間の15時時点で121.11円となっています。
■今月11日以降の中国人民元切り下げをきっかけに、新興国経済への不透明感も高まっています。アジアをはじめ周辺の株式市場もリスク回避の動きから軟調な展開となっています。

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【今後の展開】中国の景気指標改善で、企業収益見通し不変との見方強まれば反発へ

■日本企業の業績は、底堅い内需や円安・原油安などを背景に堅調さが持続する見通しです。足元では、世界的な景気の不透明感が高まり、この見通しに不透明感が強まり、市場の不安材料となっています。この不安感を解消する中国の景気指標の改善や追加対策などがあれば、市場は次第に落ち着きを取り戻すと見られます。
■中国では景気対策と金融緩和により景気のてこ入れが図られており、特に住宅市場や公共投資の改善が待たれます。これらの改善が見られるまで、市場は不安定な状況が続く可能性があります。中長期的には、株価は企業収益の拡大に沿った展開となることが期待されますが、当面の不安定な動きには引き続き注意が必要です。

 (2015年8月24日) 

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