中国の株式市場の動向~株価対策の延長と追加対策を期待する展開~

中国の株式市場の動向~株価対策の延長と追加対策を期待する展開~

【ポイント1】上海総合指数は小幅反発

香港のH株指数は4日続落

■上海総合指数は19日、前日比1.2%上昇しました。株価対策縮小懸念から18日に6%強下落した流れを受け、19日午前中は一時5%以上下落する場面も見られました。しかし、午後に入り、政府の対応を見極めたいとの思惑などから、反発して引けました。
■香港のハンセンH株指数は、前日終値に比べ1.24%下落し、4日続落となりました。

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【ポイント2】根強い景気減速懸念が重石

天津港大爆発も投資家心理冷やす

■上海総合指数は、政府の株価対策を巡り、不安定な動きとなっています。18日に公表された不動産価格に関する統計は、不動産市場の底入れを示唆する内容でした。しかし、景気減速懸念は根強く、株式市場の重石となっています。天津港大爆発や人民元切り下げも投資家心理を冷やしました。
■香港市場では、本土市場の不安定な動きに加え、米国の利上げ開始への警戒や、原油・資源の価格下落が投資家心理を冷やしています。

 

【今後の展開】株価対策延長や追加対策を期待する相場展開へ

■中国の景気減速懸念は、中国のみならず、周辺アジア諸国の株式市場の重石となっています。さらに、人民元の切り下げは、今後これらの国の輸出競争力の相対的な低下につながりかねないことも、市場の売り圧力となっています。
■中国では、預金準備率引き下げなどの追加金融緩和への期待が高まっています。一方、証券会社の貸株業務の再開などの株価対策の縮小報道に、投資家は敏感に「売り」で反応し、市場の不安定さが増しています。即効性のある金融政策や財政支出の拡大などにより、景気の下振れ懸念の緩和と一連の株価対策の維持への期待が高まっています。

 (2015年8月19日) 

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