トルコ中銀、政策金利を据え置き、通貨安定化策を強化
トルコ中銀、政策金利を据え置き、通貨安定化策を強化
【ポイント1】各種政策金利を据え置き
大方の予想通りの決定
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は18日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に据え置くと発表しました。金利誘導レンジについても、上限金利を10.75%に、下限金利を7.25%にそれぞれ据え置きました。
■各種政策金利の据え置きは3月の会合以来6会合連続で、大方の予想通りの決定になりました。
【ポイント2】為替介入の限度額を拡大
リラ安による物価への影響を警戒
■7月の消費者物価指数は前年同月比+6.81%と2カ月連続で前月を下回りましたが、市場の1年後の予想は同+7.04%と、中銀の物価目標(年+5.0%)を上回る見込みとなっています。
■中銀は、食品価格の落ち着きなどから短期的な物価上昇率の低下を見込むものの、通貨安が低下ペースを抑えるとして金融引き締めスタンスを続けています。今回は新たに、必要な場合にはさらに資金流動性を引き締める姿勢を示しました。
■また、中銀は米ドル売りの為替介入の1日当たりの限度額を拡大するとともに、米国の利上げに備え、為替介入の柔軟化や金融調節の拡充などを盛り込んだ「ロードマップ」を発表しました。
【今後の展開】為替介入を中心とした通貨安定化策の効果に期待
■中銀の今回の政策発表後も、リラ安が続きました。市場では、通貨安が進んだ場合、中銀が昨年1月のような大幅な利上げで対抗するとの見方がありましたが、その観測は後退したと見られます。
■6月の総選挙で与党公正発展党(AKP)が過半数を割り込み、他党との連立交渉が難航している状況下、再選挙の可能性が高まっています。政治的不透明感や米国の利上げ観測によるリラ安圧力は、当面続きそうです。米ドル売り為替介入を中心とした中銀の通貨安定化策が奏功するか注目されます。
(2015年8月19日)
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