「消費者物価」は低位での推移続く(欧州)

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「消費者物価」指数は、家計が購入する商品やサービスの総合的な価格の動きを指数化したものです。ユーロ圏では欧州統計局が統一的な基準で作成し公表しています。7月のユーロ圏の「消費者物価」は、前年同月比で+0.2%と低い伸びでした。原油などのエネルギー価格が足元で再び下振れ傾向にあることから、物価の上昇圧力は当面強まりそうにありません。

【ポイント1】6月、7月は物価上昇の勢いが弱まる

原油安と食料品価格の頭打ちが要因
■「消費者物価」は、今年1月を底に上向いていましたが、足元でその勢いが弱まっています。7月が低い伸びにとどまったのは、原油安によるエネルギー価格の下落と、食料品価格の頭打ちが主因です。

【ポイント2】原油価格は上昇しにくく、今後も物価安定要因

ユーロ安による物価押し上げも一服
■足元までの原油安の背景は、中国の景気減速懸念と石油輸出国機構(OPEC)の増産観測の強まりなどです。原油価格は、今後も現状程度での推移が見込まれます。
■また、今年春ごろまでのユーロ安が一服し、食料品価格の押し上げ要因は弱まりました。レストランやホテルなどの価格も、上昇傾向にはあるものの、物価全体を押し上げる勢いを欠いています。

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【今後の展開】 景気回復の弱さから物価は低位での推移が続き、ECBは追加緩和へ

■ 中国の景気減速が欧州の景気と物価に影響
中国はユーロ圏にとっての最大級の輸出国であり、その景気減速は、景気と物価の両面で、ユーロ圏経済に影響を及ぼします。また、8月の人民元切り下げは、対ユーロでも5%超となり、中国の購買力への影響も懸念されます。ユーロ圏の景気回復の弱さから、物価は低位での推移が続きそうです。

■ ECBの追加緩和観測が高まる
欧州中央銀行(ECB)は、「消費者物価」指数の上昇率が年率2%近くとなることを金融政策の目標としています。今年初めにかけて、これがマイナスとなり、ECBは量的金融緩和政策を導入しました。「消費者物価」が低位での推移を続ければ、ECBが物価目標達成に向け金融緩和を強化するとの観測が高まりそうです。

(2015年8月19日)

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