原油価格とMLP市場の見通し~中長期的な原油生産の拡大によりMLPの収益も拡大へ~

原油価格とMLP市場の見通し~中長期的な原油生産の拡大によりMLPの収益も拡大へ~

【ポイント1】 原油安と個別銘柄の業績で下落

競争激化で収益性悪化も

■原油価格は、7月に入り下げ足を速め、足元では1バレルあたり45米ドル前後と、再び今年3月の安値近辺での推移となっています。
■米国の掘削装置稼働数の増加や、中国の景気減速による需要の伸び悩み懸念など、需給双方の要因が下落の背景です。また、7月にイランの核協議が主要国で合意に至り、その後イラン石油相が原油増産への意欲を示したことなども材料となっています。
■原油安で関連企業の業況が懸念される中、MLP※市場(アレリアンMLPトータルリターン指数)の下落も足元で加速しています。足元の下落には、指数構成銘柄のパイプライン運営大手が、業績見通しを下方修正したことも影響しています。競争激化による収益性悪化の可能性が指摘されています。
※MLPとは、Master Limited Partnershipの略称で、米国で行われる共同事業形態のひとつです。エネルギー・資源関連が多くを占めます。株式と同様、米国の金融取引所などで取引されています。

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【ポイント2】 中長期的には収益拡大へ

エネルギー・インフラ需要の拡大が背景

■ただし、同パイプライン大手は、2017年に向けて複数のエネルギー・インフラのプロジェクトが稼働することで業績が回復すると見込んでいます。
■原油価格の低迷が長引くと、競争力のない生産者による原油生産が伸び悩み、原油需給は次第に改善することが想定されます。米国のシェールオイル(非在来型の原油など)生産業者は、コスト競争力が比較的高く、原油価格の低迷下でも生産を増やすことが可能と見られています。

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【今後の展開】 シェールオイル増産の傾向は不変、生産量拡大でMLPの収益も拡大へ

■シェールオイルの生産は中長期的に拡大する見通しで、関連施設に対する需要の拡大も見込まれます。MLPに多いエネルギー関連インフラ事業の中長期的な収益拡大が期待されます。
■足元までの下落で、MLPの利回りは、米国債や米国リートなどと比較した高さがさらに拡大しています。中長期的な収益拡大期待に加え、こうした利回りの高さもMLP市場を支える要因です。

 (2015年8月11日) 

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