「消費者物価」は上昇の見込み(米国)

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「消費者物価(CPI)」は、全米の人口の約87%を占める都市部の消費者が購入する財とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものです。そのうち価格の変動が大きいエネルギー、食品を除いた総合指数は「コアCPI」と呼ばれ、米連邦準備理事会(FRB)も注目しています。最近の「コアCPI」上昇率を見ると、依然としてFRBの目標値(+2%)を下回っています。

【ポイント1】低位で安定する「コアCPI」上昇率

FRBの目標値(+2%)を下回っている
■6月の「コアCPI」は、前年同月比+1.8%の上昇となりました。昨年2月の同+1.6%を直近の底として緩やかな上昇トレンドを描いていますが、FRBが目標とする+2%を依然として下回っています。
■「コアCPI」を財価格とサービス価格に分けて見ると、6月は財価格が同▲0.4%の下落だったのに対して、サービス価格が同+2.5%の上昇でした。

【ポイント2】財価格は商品市況、サービス価格は労働需給の影響を受ける

サービス価格は上昇トレンドを持続、財価格は年内値下がりが続く見込み
■「コアCPI」の約22%を占める「コア財価格」は、輸入物価や原材料価格などの影響を強く受けます。しかも、こうした価格に対して3~6ヵ月ほど遅れて動く傾向があります。原油価格には底入れの徴候が見られますが、この時間差を踏まえると、「コア財価格」の値下りは年内いっぱい続く可能性が高いと考えられます。
■一方、「コアCPI」の約78%を占める「コア・サービス価格」は、労働需給の逼迫度合いに応じて変動します。サービス価格の大部分は人件費によって占められているためです。労働市場の改善が続いていることから、「コア・サービス価格」は今後も上昇を続けると予想されます。

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【今後の展開】「消費者物価」の低位安定から利上げが開始されてもペースは緩慢

■今後も「消費者物価」は低位安定が続く見通し
「コア・サービス価格」は上昇が続くと予想されるものの、「コア財価格」の値下りが足枷となるため、「消費者物価」の上昇率が年内に+2%に到達する可能性は低いと見られます。

■利上げが実施されても、ペースは緩慢
労働市場の改善を背景に、早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定される見込みですが、物価が落ち着いているため、利上げのペースは緩慢になると予想されます。

(2015年8月10日)

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