「AIIB」設立協定に各国が署名

「AIIB」設立協定に各国が署名

【ポイント1】 「AIIB」設立協定が締結

中国の出資比率は29.8%

■6月29日に、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立協定が締結されました。創設メンバー57カ国のうち50カ国が設立協定に調印しました。今後は各国で批准手続きが行われる予定です。

■法定資本金は1千億ドル(約12.3兆円)で、中国が最大の297.8億ドルを出資し、出資比率は29.8%となります。2位から5位は、インド(8.4%)、ロシア(6.5%)、ドイツ(4.5%)、韓国(3.7%)となりました。地域別に見ると、欧州20カ国が27.2%と、中国を除くアジア(22.4%)より多くなりました。

【ポイント2】中国が拒否権を握る

■一方、重要案件の決定には投票権(議決権)全体の75%以上が必要とされますが、中国の投票権比率は26.1%と、事実上の拒否権を握ることになりました。拒否権を行使できる決定事項には、AIIBの総裁選出、法定資本金の増減などがあります。

■中国が安易に拒否権を発動するとは想定しづらいですが、融資案件等を審査するための理事会が常設されず、金融機関として情報が共有しづらいなど運営上の不透明感は依然残ったままです。

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【今後の展開】 透明性の向上が課題

■AIIBは、本部を北京に置き、年内に設立される予定です。署名を見送った国も年内であれば署名は可能です。

■日本としては、引き続き融資基準の透明性やガバナンスの公平性等を中心に、AIIBが国際金融機関としての役割を十分に果たせるかを注視していくことになりそうです。

 (2015年7月2日) 

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