「日本再興戦略」改訂2015(日本)

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 政府は、6月30日の臨時閣議で、「日本再興戦略」改訂2015(改訂成長戦略)を閣議決定しました。「改訂成長戦略」は、デフレ脱却を目指して需要不足の解消に重きを置いたステージから、人口減少下における供給制約を克服するための対策へと軸足を移す方向が示されました。アベノミクスは「第二ステージ」に入ります。また、財政再建の道筋として「経済財政運営と改革の基本方針2015~経済再生なくして財政健全化なし~」(骨太方針2015)も閣議決定しました。

【ポイント1】 「日本再興戦略」改訂2015でアベノミクスは「第二ステージ」へ

「未来投資による生産革命」と「ローカルアベノミクス推進」が車の両輪に

■今回の「改訂成長戦略」は、「生産性の向上」を政策の中心に据えました。生産年齢人口が増加しない中、消費だけが拡大しても、経済全体の生産性が向上しなければ、成長の限界にぶつかるためです。
■アベノミクス第二ステージは、技術や人材を含めた「未来投資による生産性革命の実現」と、地域の活性化を通じて活力ある日本経済を再生させる「ローカルアベノミクスの推進」を車の両輪として、「生産性の向上」を促進する方針です。これらを推進することで供給制約を克服し、日本を成長軌道に乗せる、としました。

【ポイント2】 「改革2020」プロジェクト

結果にこだわる官民プロジェクトの推進

■今回新たに、成長戦略を加速する官民プロジェクトとして「改革2020」の推進が決定しました。訪日観光客の拡大に向けた環境整備等が含まれます。東京オリオンピック・パラリンピック競技大会の開催年にあたる2020年に焦点を当て、それまでに結果を出すことが求められます。

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【今後の展開】 株式市場は「生産性の向上」に注目

■ 「骨太方針2015」は経済再生に配慮
 「骨太方針2015」では、2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する方針が維持されました。また、2018年度にPB赤字GDP比1%を目安とする中間目標に向け集中的に取り組む方針も盛り込まれました。経済と財政のバランスについては、経済と財政双方一体の再生を目指すとしています。また、骨太方針の副題には「経済再生なくして財政健全化なし」と掲げられており、経済再生を強調する内容となりました。

■「稼ぐ力」の更なる強化
昨年来、スチュワードシップ・コード(*)とコーポレートガバナンス・コード(*)が整備されたことで、今年は機関投資家と企業経営者の対話が進む「ガバナンス元年」となりました。「稼ぐ力」が求められ、株主資本利益率(ROE)が注目されています。「稼ぐ力」を更に強化するため、「生産性の向上」は日本企業にとって重要な課題です。今後、株式市場は、日本企業の更なる「稼ぐ力」の強化に向けた「生産性の向上」に注目することになりそうです。

(*) 「スチュワードシップ・コード」は株主としての機関投資家が責任を持って行動するための規範で、「コーポレートガバナンス・コード」は企業が責任を持って行動するための規範です。

(2015年7月2日)

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