「ヒット商品番付」は消費回復を映す(日本)

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ヒット商品に関するランキングは、その時々の流行や経済情勢を映す指標として注目され、複数の企業や団体が発表しています。例えば、日本経済新聞社は「日経MJヒット商品番付」として、消費動向や世相を踏まえて、売れ行きや開発の着眼点、産業構造や生活者心理に与えた影響などを総合的に判断し、相撲の番付になぞらえたランキングを発表しています。

【ポイント1】 “インバウンド“など観光分野が引き続き上位に

観光インフラへの注目度が高く、地方活性化を後押し
■6月10日に「日経MJ2015年上期ヒット商品番付」が発表されました。東の横綱には「インバウンド旋風」が選ばれました。外国人旅行者の増加によるインバウンド消費の拡大は、都市部だけでなく地方へも波及しています。“インバウンド”としては、昨年12月の「インバウンド消費」に続き2場所連続の横綱です。外国人旅行者“旋風“は、免税店の店舗数(4月1日時点)が半年でほぼ倍増したことにも表れています。
■西の横綱は「北陸新幹線」でした。また、格安航空会社(LCC)専用のターミナルとして今年4月にオープンした「成田空港LCCターミナル」も上位に入りました。両者は、観光インフラとして地方の活性化を後押ししています。

【ポイント2】質志向と節約が共存

新しい体験を生む“デバイス“も上位に
■消費マインドの改善を背景に、質を求めるトレンドが強まっています。番付の上位には原料や素材にこだわった「クラフトビール」や、豆の仕入れや入れ方にこだわる「ブルーボトルコーヒー」が入りました。一方、コンビニでの「イートイン」や「セブンドーナツ」も上位にランクされており、引き続き節約志向も根強いことがうかがわれます。
■その他の上位には「アップルウォッチ」が入りました。ウエアラブル端末の本格的普及のきっかけとなるか注目されます。また、最近注目度が急上昇した小型無人飛行機「ドローン」も選ばれました。

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【今後の展開】消費マインドのさらなる改善で、「質志向」の消費傾向が強まる見込み

■下期のトレンドは、復活、地域密着、定番
日本経済新聞社によると、今後のトレンドは、過去人気だった映画シリーズなどのリバイバル(復活)、地域に応じた商品開発(地域密着)、知名度の高いおなじみの商品(定番)とされています。新しいメガヒットは見込めませんが、手堅い商品が有望なようです。

■「ベア」が支える質志向
今回の番付で西の大関に「ベア(ベースアップ)」が選ばれました。円安の恩恵を受ける自動車業界などがリードし、「ベア」を実施する企業が相次いだことを受けたものです。消費は、「価格」よりも「質」を重視する傾向が強まっていると見られ、「ベア」が「質志向」を一層促すか注目されます。

(2015年6月19日)

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