最近の指標から見る豪州経済(2015年6月) ~雇用に明るい兆し、景気は緩やかな回復へ~

最近の指標から見る豪州経済(2015年6月)~雇用に明るい兆し、景気は緩やかな回復へ~

【ポイント1】 消費は底堅く推移

雇用は改善傾向

■小売売上高は、住宅市場が好調なことを背景に、底堅く推移しています。
■住宅建設許可件数は、足元でやや伸びが鈍化したものの緩和的な金融環境の中で拡大基調を維持しています。
■雇用は、足元で雇用者数が増加し失業率が低下するなど、明るい兆しが見られます。
■輸出は、中国向けの石炭が減少したことなどから、足元で軟調に推移しています。今後は、鉄鉱石価格が上昇傾向にあることなどから、持ち直しが期待されます。

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【ポイント2】 物価上昇率は低位で安定

追加利下げ観測が後退

■昨年来の原油・資源価格の下落などを受け、物価上昇率は低下傾向にあります。今後は、賃金上昇率や原油価格の安定などから、低位で安定的に推移する見込みです。
■豪州準備銀行(RBA)は、6月2日の金融政策会合で、政策金利を過去最低の2.00%に据え置きました。RBAは、今後の経済や金融環境を見て現状の金融政策が適切か検討していく方針と見られ、追加利下げ観測が後退しています。

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【今後の展開】消費や住宅投資が下支えし景気は緩やかな回復へ

■景気は、輸出と設備投資の低迷を消費と住宅投資が下支えし、緩やかに回復する見込みです。雇用環境は、企業景況感の改善などから、緩やかな改善が見込まれます。
■物価上昇率の安定的な推移や消費の緩やかな拡大が見込まれることなどから、政策金利は当 面据え置かれる見込みです。
■豪ドル円レートは、RBAによる利下げ観測が後退する中で日豪金利差への注目などから、底堅く推移する見込みです。
■緩やかな景気回復を背景に企業収益の拡大が見込まれることや高い配当利回りなどが魅力となり、株式やリートも底堅い推移となることが期待されます。

 (2015年6月16日) 

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