「サービス消費」は底堅い動き(日本)

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個人向けの趣味・娯楽、事業所向け広告や物品賃貸など、特定のサービスに関する消費動向は、経済産業省が毎月発表する「特定サービス産業動態統計」で把握することができます。個人向け10業種、事業所向け10業種別に売上高、契約高などが公表されています。短期的な景気、雇用動向を知る手がかりとして有用です。

【ポイント1】「フィットネスクラブ」、「外国語会話教室」などが10カ月以上連続の増加

事業所向けは、企業収益拡大を背景に堅調

■経済産業省が15日に発表した、4月の「特定サービス産業動態統計月報」によると、個人向けサービス業の売上高は、9業種中(「結婚式場業」は2015年1月から開始)5業種が前年比で増加しました。特に「遊園地・テーマパーク」や「外国語会話教室」、「フィットネスクラブ」は好調で、それぞれ10カ月以上連続の増加となっています。一方、「ボウリング場」、「パチンコホール」などは、消費税増税の影響が一巡した後も減少を続けています。
■事業所向けサービス業の売上高等は、10業種中9業種で前年比増加しました。「情報サービス業」、「自動車賃貸業」などはいずれも20カ月以上の増加を続けています。企業収益の拡大を背景に、事業所向けのサービスは堅調です。

【ポイント2】「健康志向」、「自分への投資」が後押し

外国人旅行者の増加も貢献

■2014年度の百貨店やスーパーの売上高は、消費税増税の影響により前年度比マイナスとなりました。一方、「遊園地・テーマパーク」、「外国語会話教室」、「フィットネスクラブ」などは、増税の影響が見られず、需要が強い分野です。
■背景には、「シニア層の健康志向」や「自分への投資」などの消費の傾向があるほか、「外国人旅行者」の増加がテーマパークなどの売上に貢献している面があります。

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【今後の展開】内需拡大による景気回復の強まりに期待

 ■消費マインドの高まりに期待

賃上げや、増税の影響一巡で4月の実質賃金は前年比プラスとなり、今後消費マインドのさらなる高まりが期待されます。また、外国人旅行者によるインバウンド消費の増加に対応して、家電量販店などでは免税店拡充の動きが見られます。外国人旅行者の消費は今後も増える見込みです。

■モノやサービス消費は底堅い動きに

内需拡大を見越した企業の設備投資も増勢を強めています。企業収益拡大を背景に、賃上げを含めて雇用環境の改善も続きそうです。それにつれ、モノやサービスの消費は底堅い動きが持続し、内需拡大により景気回復が強まることが見込まれます。

(2015年6月16日)

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