アジア・リート市場、足元の動向と今後の見通し ~金利上昇を嫌気、今後は成長性を評価する展開へ~

アジア・リート市場、足元の動向と今後の見通し

~金利上昇を嫌気、今後は成長性を評価する展開へ~

【ポイント1】主要国の国債利回り上昇を嫌気

欧米の経済指標上振れが背景

■アジア・リート指数が足元で軟調です。6月5日までの1週間で▲1.8%(円ベース)、特にオーストラリア市場が▲3.4%(同)と大きめの下落となっています。
■今月初めに発表されたドイツとユーロ圏の物価指標が予想を上回ったことや、米国のISM製造業景況感指数や雇用統計などが堅調な内容だったことから、主要国の国債利回りが上昇し、リート市場はこれを嫌気したと考えられます。米国の経済指標の上振れは、今年中に見込まれる利上げへの懸念を強めることにもなったと見られます。
■主要国の国債利回り上昇は、行き過ぎた利回り低下の巻き戻しと見られ、緩やかな景気回復を背景に徐々に落ち着くと考えられます。

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【ポイント2】 6月4日以降は豪ドル安も影響

商品価格の下落や米ドル高が背景

■6月4日以降のリート指数の下落には、豪ドル安も影響しました。豪州準備銀行(RBA)は2日、大方の予想通り政策金利を据え置きましたが、声明文から利下げを検討する旨の文言が削除され利下げの打ち止め感が強まりました。これを受け、一旦豪ドル高が進み、足元では反落しています。
■原油など商品価格の下落や、このところの米ドル高も豪ドル安に影響していると見られます。
■豪州の景気は、消費と住宅投資がけん引し緩やかな回復が見込まれます。豪ドルは徐々に落ち着きを取り戻すと見られます。

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【今後の展開】 高い経済成長を背景とした増益・増配に期待

■今年中に見込まれる米国の利上げ局面では、景気拡大と物価上昇が緩やかとなる見込みから、10年国債利回りの上昇も緩やかなものにとどまり、リート市場への影響は限定的となりそうです。
■アジアの高い経済成長を背景とした増益・増配期待や、相対的な利回りの高さは引き続きアジア・リート市場のサポート要因になると考えられます。

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 (2015年6月8日) 

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