FRBはFOMCでテーパリング開始を発表 雇用の回復ペースと物価の高止まり解消時期に注目へ

FRBはFOMCでテーパリング開始を発表

雇用の回復ペースと物価の高止まり解消時期に注目へ

【ポイント1】FRBはテーパリングを開始

■米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2日、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。

■債券購入プログラムについては、米国債で毎月100億ドル、住宅ローン担保証券で毎月50億ドルの買入れ縮小(テーパリング)を決定しています。FRBは経済が目標に向けてさらに著しく進展したと評価しています。

【ポイント2】利上げには慎重姿勢

■パウエル議長は会合後の記者会見で、毎月同じペースで買入れの縮小を行い、2022年の半ばにテーパリングを終了する意向を示しました。

■一方、テーパリング開始の決定は金利に関して何の示唆も与えるものではないともしており、利上げへの慎重姿勢を示しています。

【今後の展開】雇用と物価に注目へ

■3日の米国市場では、株式市場は主要指数がそろって過去最高値を更新し、債券利回りも上昇しました。テーパリングが開始されることは市場の想定通りでしたが、利上げへの慎重姿勢が意識されたことや、経済指標が良好だったこともあってリスク選好的な動きとなりました。

■テーパリングが開始されたことで今後の金融政策の焦点は利上げ時期に移ります。パウエル議長は会見で、雇用者数と労働参加率の両面において最大雇用に達しているとは言えないと述べましたが、2022年後半にも達成できる可能性を示しました。また、一過性と考えられているインフレの高止まりが長引いていることについても、供給制約が解消する時期は見通しづらいとしています。利上げのタイミングを見通す上でも、雇用の回復ペースと、物価の高止まりが解消する時期に注目が集まります。

(2021年11月4日)

印刷用PDFはこちら↓

FRBはFOMCでテーパリング開始を発表 雇用の回復ペースと物価の高止まり解消時期に注目へ

関連マーケットレポート

2021年10月29日 リビジョン・インデックスから見る今後の米国株式市場

2021年10月26日 2021年11月の注目イベント

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会