豪中銀はテーパリングを予定通り実施 金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支え

豪中銀はテーパリングを予定通り実施

【ポイント1】国債買入れを予定通り減額
政策金利は据え置き

■豪州準備銀行(RBA)は9月7日の金融政策決定会合で、翌日物金利と3年物国債利回りの目標を0.1%に維持しました。

■国債買入れプログラムは、これまでの方針通り、現行の週50億豪ドルから40億豪ドルへの減額が決定されました。新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大を受け、資産買入れの減額が見直されるとの見方もありました。RBAは金融緩和から徐々に脱却しています。

【ポイント2】テーパリングのペースは緩やか
金利も2024年まで据え置き継続へ

■一方、週40億豪ドルの買入れを行う期間は「少なくとも来年2月中旬まで」としており、テーパリングのペースは非常に緩やかに設定されています。

■また、声明文では「実際のインフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで翌日物金利を引き上げない」、「2024年までにこうした状況になるとは予想していない」と、政策金利据え置きを続ける方針を改めて示しており、早急な引き締めへの懸念をけん制する内容となっています。

【今後の展開】金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支え

■今回の決定を受けて9月7日の為替市場で豪ドルは米ドル、円に対して一時は上昇したものの、その後下落に転じました。RBAによる金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支えする一方、市場はテーパリングのペースが緩やかになる点にも反応しています。

■デルタ型の感染拡大により都市部でロックダウンが繰り返されていますが、ワクチン接種が進展するとともにこうした行動制限も徐々に緩やかになると想定されます。金融政策の先行きにも大きく影響するため、今後も労働市場や物価に加え、感染動向や経済活動再開ペースなどにも注目が集まります。

(2021年9月8日)

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