金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルの下支え要因に

金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルの下支え要因に
豪中銀は国債買入れ減額を予定通り実施へ

【ポイント1】政策金利は据え置き
国債買入れも予定通り減額へ

■豪州準備銀行(RBA)は8月3日の金融政策決定会合で、翌日物金利と3年物国債利回りの目標を0.1%に維持しました。
国債買入れプログラムを現行の週50億豪ドルから9月上旬以降は40億豪ドルに減額する方針も維持されています。新型コロナウイルスのデルタ型の感染が拡大していることから、前月に決定された資産買入れの減額が見直されるとの見方もありました。RBAは金融緩和から徐々に脱却しています。

【ポイント2】利上げはまだ先
2024年まで金利据え置き継続へ

■声明文では、「短期的にはロックダウンで失業率の上昇を見込む」ものの、「これまでの経験では一度ウイルスが抑え込まれると経済は速やかに回復する」と強気見通しを維持しています。

■一方、「実際のインフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで翌日物金利を引き上げない」、「2024年までにこうした状況になるとは予想していない」と、政策金利据え置きを続ける方針を改めて示しています。

【今後の展開】金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルの下支えに

■今回の決定を受けて8月3日の為替市場で豪ドルは米ドル、円に対して買われました。RBAによる金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支えしている格好です。

■一方、デルタ型の感染拡大により都市部でロックダウンが繰り返されています。こうした動きは金融政策の先行きにも大きく影響するため、今後も労働市場や物価に加え、感染動向や経済活動再開ペースなどにも注目が集まります。

(2021年8月4日)

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