FOMCの結果からみる米株へのインプリケーション FRBは早期の量的緩和縮小を改めて否定

FOMCの結果からみる米株へのインプリケーション

【ポイント1】FRBは金融政策を据え置き

■米連邦準備制度理事会(FRB)は4月27日、28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。政策金利の据え置きは市場の予想通りでした。

■また、FRBは債券購入プログラムについて、「雇用の最大化と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまで」現行ペースを維持することを改めて表明しました。

【ポイント2】早期の緩和縮小観測をけん制

■声明文では、「現在進行中の公衆衛生の危機は引き続き経済の重しとなり、経済見通しへのリスクは残っている」とする一方、「ワクチン接種の進展と強力な政策支援の中、経済活動と雇用の指標は強まった」と指摘し、経済の正常化に期待を示しました。

■会合後の記者会見でパウエル議長は、「労働市場の状況は引き続き改善」と指摘したものの、「著しいさらなる進展を遂げるには、ワクチン接種での著しい進展を伴う」必要があるとし、早期の量的緩和縮小に関しては、「量的緩和の段階的縮小の議論開始は時期尚早」と改めて否定し市場の観測を打ち消しました。

【今後の展開】市場は金融緩和姿勢の維持を好感へ

■28日の米国市場では、株式市場は下落し、債券市場は小動きでした。FOMCでは大きな波乱はなかったものの、NYダウが史上最高値近辺で推移していることが利益確定の動きを引き起こしました。当面はワクチン接種の進展によって経済が再開される中でも量的緩和が維持されることで金利が安定し、株価は上昇を続けると予想します。その後は、景気回復の加速に伴い金利には上昇圧力がかかるものの、株式市場は業績回復を背景に堅調な推移を想定します。

(2021年4月30日)

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