今年を振り返るキーワード2『米大統領選挙』

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11月3日に投票が行われた『米大統領選挙』は、大量の郵便投票等の開票に時間を要したため、投票結果が判明するまで日数を要した他、トランプ大統領側は敗北を認めず、法廷闘争を続けるなど、異例の展開となりました。バイデン氏は12月14日の選挙人投票で過半数を上回る306人を獲得し、次期大統領選出の要件が満たされました。新大統領は米国社会で深まった分断の解消などを目指します。

【ポイント1】選挙人投票でバイデン大統領が事実上確定

■米国では11月3日、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が争う大統領選挙の投票が行われました。人種差別問題、新型コロナへの対応などが争点となり、トランプ大統領の劣勢が伝えられていました。実際の投票は接戦となりましたが、バイデン氏は前回の選挙でトランプ氏の勝利を決定づけたペンシルベニア州と、ミシガン州およびウィスコンシン州などの奪還に成功し、これが当選の原動力となりました。

■トランプ米大統領は選挙の不正などを主張し、なお敗北を認めていませんが、12月14日の選挙人投票でバイデン氏が過半数(270)を上回る306人を獲得しました。これにより米国の第46代大統領に民主党のバイデン氏の選出が事実上確定しました。2021年1月6日に上下院合同会議を開いて投票認定手続きを行い、1月20日に大統領に就任します。

【ポイント2】人事など政権移行がスタート

■バイデン氏は選挙人投票の結果を受けて12月14日夜、地元の東部デラウェア州で国民向けの演説に臨み、306人の選挙人獲得は「明確な勝利だ」と宣言したうえで、国民融和の必要性を改めて訴えました。一方、法廷闘争を続けてきたトランプ氏に敗北の受け入れを促しました。

■バイデン氏は、主要人事を固めつつあります。11月23日に外交・安全保障分野の6名の高官を発表しました。国際協調と同盟国との連携の重視や気候変動問題への取り組みの復帰が進められる見込みです。

【今後の展開】新政権は難しい問題が山積

■バイデン氏は次期大統領就任後、米国の分断の修復や感染の急拡大が続く新型コロナ対策、対中政策など山積する課題への迅速な対応力が問われます。また上院の決戦投票の行方も注目されます。『米大統領選挙』と同時に行われた上下院選挙で下院は民主党が過半数を確保しました。一方上院で民主党が実質多数となるためには、米南部のジョージア州で21年1月に予定される上院2議席の決選投票で2議席とも確保が必要となります。その結果によってはバイデン次期大統領の政策運営の制約要因となります。

(2020年12月21日)

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