メキシコ、2会合連続で政策金利を据え置き メキシコペソは経済正常化への期待が後押し

メキシコ、2会合連続で政策金利を据え置き

【ポイント1】政策金利を4.25%に据え置き

■12月17日、メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策決定会合を開催し政策金利を据え置きました。声明は、前回に続き、据え置きはインフレが目標水準に収斂しつつあることを確認するための 「一時停止」とし、緩和サイクルがまだ終わっていないことを示唆しています。

■11月の消費者物価指数は、前年同月比+3.33%と4カ月ぶりに政策目標上限(4%)を下回りましたが、声明ではメキシコの11月のセールス期間が長期化したことなどが指摘されました。弊社では、2021年3月頃までインフレ圧力は低下傾向となり、2月に利下げを行う可能性が高いとみています。

【ポイント2】米国依存、景気の回復力弱く

■足元のメキシコ経済は米国景気の回復に伴い改善しましたが、国内景気の低迷が引き続き産業全体を圧迫しています。11月に発表された四半期レポートでは、2020年のGDP成長率見通しは若干上方修正されたものの2021年は下方修正され、先行きの弱さが示されました。

■弊社ではメキシコの2021年の実質GDP成長率見通しを前年比+2.5%と予想しています。財政を抑え気味に運営しており政策面での後押しが期待しにくいため、市場予想(同+3.5%)に比べ慎重にみています。

【今後の展開】ワクチン普及、経済正常化への期待がメキシコペソを後押し

■メキシコペソは世界的な景気回復期待の高まりから市場にリスク選好の動きが広がる中、5月以降上昇傾向を辿っています。足元では、米ドル安や、米欧での新型コロナワクチン普及への動きなどを好感し、11月は対米ドルで約5%の上昇率となりました。世界的に新型コロナの感染が再拡大しているため、リスク回避的な動きが強まれば上値は抑制されますが、世界経済は各国・地域の積極的な金融・財政政策、ワクチンの普及などによって緩やかに回復すると考えられ、メキシコペソは市場環境に左右されながらも底堅い推移が見込まれます。

(2020年12月18日)

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