FRBは量的緩和ガイダンス強化で景気をサポート 資産買い入れに関するフォワードガイダンスを強化

FRBは量的緩和ガイダンス強化で景気をサポート

【ポイント1】資産買い入れガイダンスを強化

■米連邦準備制度理事会(FRB)は12月15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジ(0.00~0.25%)の据え置きと、国債買い入れなどの量的緩和政策の維持を決めました。

■FRBは量的緩和の規模拡充を見送りましたが、資産買い入れに関するフォワードガイダンスを強化しました。資産買い入れの期間について、従来は「今後数カ月にわたって」としていましたが、今回「雇⽤の最大化と物価安定に向けて⼀段と顕著な進展があるまで」とし、量的緩和の維持に対して強い意志を表明しました。

【ポイント2】経済見通しは概ね上方修正

■FOMC参加者の経済・金利見通しでは、GDP、雇用、物価上昇率ともに前回(9月)見通しから概ね上方修正されました。足元、新型コロナの感染再拡大が懸念されていますが、成長率見通しが上方修正され、それに伴い失業率見通しも改善方向に修正されました。物価上昇率見通しも上方修正されましたが、若干の修正に留まり、2023年見通しは2.0%で据え置かれました。

■一方、FOMC参加者による政策金利見通し(ドットチャート)では、前回とほぼ変わらず、23年末までほとんどの参加者がゼロ金利維持としました。

【今後の展開】量的緩和維持の姿勢は相場をサポート

■16日の米国株式市場は小幅ながらまちまちの動きとなりました。ダウ工業株30種平均は前日比45ドル安の30,155ドルで引けましたが、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は若干上昇しました。

■今回強化された資産買い入れに関するフォワードガイダンスは、11月会合で示唆されたものでしたが、FRBが量的緩和を当面維持する姿勢を示したことは、米国景気及び金融市場のサポート要因になると考えます。

(2020年12月17日)

印刷用PDFはこちら↓

FRBは量的緩和ガイダンス強化で景気をサポート 資産買い入れに関するフォワードガイダンスを強化

関連マーケットレポート

2020年12月8日「リスクオン」は続くのか(吉川レポート)

2020年12月7日 弱い米雇用統計でも米株は高値更新

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会