豪ドル相場は強含み(2020年9月)豪政策金利は0.25%に据え置き、GDPは下振れ

豪ドル相場は強含み(2020年9月)

【ポイント1】豪州中銀は政策金利据え置き

資金供給の規模と期間を拡大

■豪州準備銀行(RBA)は、9月1日に開催した金融政策決定会合で、政策金利のキャッシュレート及び3年国債の利回り目標を過去最低の0.25%に据え置きました。据え置きは市場の予想通りでした。

■一方、市中銀行への資金供給の規模を拡大し、終了期日も従来の2021年3月末から同年6月末まで延長する緩和強化策を示しました。

■また、声明文には新たに「さらなる金融政策措置が景気回復をどのように支援できるか引き続き検討する」との文言が追加され、今後の追加緩和の余地も残しました。

【ポイント2】GDPは2期連続のマイナス

4-6月期は前期比▲7.0%

■また、オーストラリア連邦統計局(ABS)は9月2日、4-6月期の実質GDP成長率を前期比▲7.0%と公表しました。市場予想である同▲6.0%を下回り、過去最大の落ち込みとなりました。

■2四半期連続のマイナス成長となったことにより、豪州は1991年以来の景気後退へ入った模様です。

【今後の展開】豪ドルは今後も堅調に推移

■今年の3月以降豪ドルの対円相場は、景気回復への期待感や、米ドル安基調を背景とした投資家のリスク選好姿勢などを受けて大幅に上昇してきました。

■今回、中銀による緩和的な決定や予想を下回るGDPなど豪ドルに対する弱材料が示されましたが、下落幅は限られました。足元で公表されている経済指標が概ね良好であることや、新型コロナウイルス感染拡大がピークアウトの兆しを見せていることなどが買い支えの材料となっています。今後、豪ドルの対円相場は、対中関係などのリスクに注視しつつも、引き続き堅調な展開となると予想します。

(2020年9月3日)

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