ハイテク株主導で高値更新の米国株式市場 経済活動の前向きな変化を受けつつ堅調さを維持しよう

ハイテク株主導で高値更新の米国株式市場

【ポイント1】史上最高値を更新したNASDAQ総合指数

ウィズコロナでハイテク株がけん引

■23日の米国株式3市場はハイテク主導で堅調に推移しました。特にハイテク企業のウエイトが高いNASDAQ総合指数は8営業日連続で上昇し、史上最高値の10,131.368で引けました。テキサス州など複数の州で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ウィズコロナに適したハイテク株が大きく上昇しました。原油価格の上昇や今後の政策に対する期待も市場をけん引しました。

【ポイント2】原油価格の安定も寄与

マクロ指標にも安心感

■原油価格が堅調に推移していることも株価上昇に寄与しました。WTIは3月6日以来の40ドル台と戻りました。新型コロナウイルスの感染拡大は懸念されても再び都市封鎖(ロックダウン)へ戻らないよう対策が打たれれば、需要の回復が見込める、との期待が背景です。

■先週発表の小売り売上高が大幅に上振れ、経済活動再開後の戻りのイメージが改善したことも安心感につながりました。この上振れは財政政策で所得がサポートされたことが寄与したと見られます。

【今後の展開】経済活動の前向きな変化を受けつつ堅調さを維持しよう

■新型コロナウイルスの感染第2波への懸念は続く見通しです。その中で、政府支出の拡大や米連邦準備制度理事会(FRB)による企業支援継続に対する期待と、経済活動の前向きな変化に自信を深めることで、株式市場は堅調さを維持すると考えられます。

■ただ、米中の対立は依然続いており、折に触れて株式市場の重石となる可能性がある点には注意が必要と考えられます。22日には米中通商交渉を巡る政府高官の発言で関係悪化懸念が強まり、米国株式先物市場が調整し、23日のアジア株式市場が乱高下する場面が見られました。幸い米政権やトランプ大統領から火消し発言があり、市場は反転し、落ち着きを取り戻しました。今回の高官発言や新型コロナウイルスの発生源を巡る米中の対立は、米大統領選挙を強く意識したものであり、トランプ大統領の支持率が低下する中で、その内容が先鋭化するリスクがあります。米中対立は今後も株式市場のかく乱要因になることが改めて印象付けられました。

(2020年6月24日)

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