FRBは今月3度目の追加緩和を実施 米経済政策の与野党合意期待も後押し、世界株式は急反発

FRBは今月3度目の追加緩和を実施

【ポイント1】FRBは量的緩和を拡大

社債購入にも踏み切る

■新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場の動揺が続くなか、米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ額を無制限とする追加緩和策を決定しました。

■また、FRBは、資金の目詰まりを解消するため消費者や中小企業の資金繰りを支援する新たな措置を設け、社債等の購入に踏み切る枠組みを発表しました。FRBが社債の購入を実施すれば混乱する債券市場の安定に寄与するとみられます。

■臨時の会合はすでに今月3回目です。事実上のゼロ金利政策導入や量的緩和策の再開に追加する形で、矢継ぎ早に緊急措置を打ち出し、新型コロナの影響で混乱した景気や市場を支えようとしています。FRBの総資産は3月から急増し、過去最大となっています。

【ポイント2】世界の株式市場は急反発

米議会与野党の合意期待が高まる

■23日の米株式市場は、経済対策をめぐり米連邦議会での与野党の対立が嫌気されたことから下落したものの、24日のダウ工業株30種平均は、与野党の合意が近いとの見方が強まったことから、過去最大の上げ幅の前日比2,112ドル高となり、節目の2万ドル台を回復して終えました。24日の世界の株式市場も、FRBの迅速な緊急措置を受けて、日本、アジア、欧州とも大幅に上昇しました。

【今後の展開】市場は新型コロナ感染のピークアウトの兆しを待つ展開

■世界の金融市場でリスク回避の動きが続くなか、新型コロナの景気への悪影響を和らげる、金融緩和政策の強化や大規模な経済対策への期待感が相場を支え始めました。ただ、最大の焦点である世界の新型コロナの感染状況については、いまだ感染者数が急増している段階で、先行きは予断を許しません。各国の財政金融政策で景気を下支えする間に、移動制限などの新型コロナ対策の効果で感染者数がピークアウトすることが待たれます。同時に、治療薬やワクチンの開発をめぐる動向が注目されます。

(2020年3月25日)

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