豪ドル相場はレンジ内の動きに(2020年1月)金融緩和や減税効果により豪経済の失速は回避へ
豪ドル相場はレンジ内の動きに(2020年1月)
1豪ドル=75円近傍で推移
■豪ドルの対円相場は、昨年8月に急落した後、年末にかけて緩やかに回復しました。昨年8月12日に1豪ドル=71.09円をつけましたが、足元は75円近傍まで戻しています。
【ポイント2】豪州景気の回復は緩慢
2020年2月に追加利下げの見通し
■2019年の豪州の実質GDP成長率は、個人消費や住宅投資の減速から前年比+2.0%割れの可能性が高く、+2.7%前後と推計される潜在成長率を下回る成長になると見られます。
■2020年は、前年比+2.3%程度の成長が見込まれます。資源価格高騰の効果が一巡する他、主要輸出先である中国などの成⾧率鈍化が想定され輸出の伸びは高まりにくく、内需も力強さには欠ける展開が見込まれます。追加的な利下げ効果等により失速は避けられると予想されます。
■インフレ率は、賃金上昇率の鈍さなどを背景に、当面、豪州準備銀行(RBA)の目標の中心値である+2.5%迄には達しないと予想されます。
■RBAの金融政策は、2月に追加利下げを行うと予想します。その際RBAが成長率見通しを大きく切り下げる場合には、一段の利下げが視野に入ります。
【今後の展開】豪ドルはレンジ内の動きに
■昨年9月以降、豪州では過去最大規模の山林火災が発生し、現在も懸命な消火活動が行われています。現時点では豪経済への影響を予測することは難しいですが、被害地域の大部分は都市部から遠く、GDP全体への影響は限定的と考えられます。豪州経済が今後回復に向かうと予想されることが下支え要因となり、豪ドルはこの1年のレンジ内での動きを想定します。但し、山林火災の長期化の影響などから民間内需や輸出の下振れ懸念が高まっていることや、一段の金融緩和の可能性には注意が必要です。
(2020年1月17日)
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