高まる『アシストスーツ』の市場拡大期待

 

高まる『アシストスーツ』の市場拡大期待

『アシストスーツ』とは人の体に装着し、下肢や上体などの動きを補助する装置です。深刻な人手不足への対処や高齢者の身体サポートなどが求められる中、『アシストスーツ』への潜在的なニーズが高まっています。そうした中、電池性能など機能が大幅に改善した商品の開発が進み、同製品の市場拡大期待が高まっています。普及が進むと仕事や生活が大きく変わる可能性があり、今後の動向が注目されます。

【ポイント1】『アシストスーツ』導入の背景には、深刻な人手不足

■『アシストスーツ』は、腕や脚の力を補い、立ち上がったり、座ったりする動作や、歩行、階段昇降、重いものの保持や運搬などの動作を補助します。さまざまな分野で応用開発が進められており、リハビリ支援機器、高齢者などに対する身体機能補助機器、介護や運搬などの重作業用機器などが製品化されています。

■今後『アシストスーツ』導入が加速するとみられる背景には、深刻な人手不足や少子高齢化が進み人材確保が厳しいなか、重い荷物を扱う物流業界や業務の負担が大きい介護など、厳しい労働環境の現場での潜在的なニーズが極めて大きいことがあります。また使用される電池の小型、大容量化、低価格化などにより機能の改善が進んでおり、価格の一段の引き下げが進めば導入が加速するとみられています。

【ポイント2】『アシストスーツ』は東京オリンピック・パラリンピックにも導入

■パナソニック子会社のATOUN(アトウン)が開発した主力機「モデルY」は腰の動きをセンサーがとらえ、パワフルなモーターの力で重量物を持った時にかかる腰部への負担を軽減する『アシストスーツ』です。これまで工場や建設現場、空港の荷物載せ替え作業などで使われてきましたが、ここにきて導入先が拡大しています。東京オリンピック・パラリンピックでのパワーリフティング競技で重りを交換するサポートやスタジアムや選手村でのスタッフの作業補助で使用されます。また同社は7月に腰を補助する製品を、全国の介護施設に納入を始めると発表しました。同社以外でもサイバーダインは介護者と要介護者の双方が使用可能な製品を8月1日から販売すると発表しました。

【今後の展開】『アシストスーツ』の市場拡大が加速

■深刻な人手不足や少子高齢化への対処は、国内に限らず欧米や中国などでも社会的要請事項になりつつあります。『アシストスーツ』には極めて大きな潜在需要があり、今まさに市場拡大が加速する局面を迎えようとしています。人手不足や少子高齢化が特に深刻な日本で、国内企業が先行して『アシストスーツ』の機能改善や低価格化に取り組み、市場拡大を主導することが期待されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2019年08月19日)

印刷用PDFはこちら↓

高まる『アシストスーツ』の市場拡大期待

関連マーケットレポート

2019年08月01日 加速する『無人建機』の開発

2019年07月05日 『AI』の活用で「自動運航船」の開発が加速

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会