上昇に転じた中国株式市場(2019年6月)米中貿易協議の継続を好感

2019/07/04

上昇に転じた中国株式市場(2019年6月)米中貿易協議の継続を好感

 

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【ポイント1】6月の中国株は順調に回復

■6月に入り、中国株式市場は上昇に転じました。月初は米国の対中追加関税の引き上げや華為技術(ファーウェイ)への事実上の禁輸措置などへの懸念が続き下落しましたが、その後は月末の米中首脳会談に向けた期待感などから回復傾向を辿りました。米中首脳会談では、中国からの輸入品3,000億米ドル分への制裁関税を当面見送り、貿易協議を再開することが合意されました。また、トランプ米大統領は、ファーウェイへの輸出制限を緩和する意向を示しました。これを受けて市場に安心感が広がり、株式市場は上昇する展開となりました。

【ポイント2】米中貿易協議の継続を合意も、先行き不透明感は残る

■米中貿易協議の継続が合意されたことは株式市場にプラスの要因となります。但し、ファーウェイへの制裁緩和の程度や、制裁関税の保留期間には言及されておらず、依然として不透明感が残ります。また、トランプ米大統領は協議を急がない意向を示しており、今後の協議の進展は見通しにくいとの見方があります。外交上の駆け引きが継続すると見られ、株式市場が米中首脳の発言に反応する可能性が残ります。

【今後の展開】米中関係はいったん改善、当面は堅調な展開に

■悪化していた両国関係の緊張が報復合戦でさらに高まるという最悪のシナリオは回避されました。今後は、米中共に関係を悪化させて経済や金融市場に大きな悪影響が及ぶことにならないよう、一定程度配慮しながら交渉が進められると見られます。中国経済は政府の景気刺激策によって支えられることが見込まれ、企業の業績予想もいずれプラスに転じてくる見通しです。これらは株式市場にとって支援材料と見られます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2019年7月4日)

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