大幅に上昇した中国株式市場(2019年3月)景気対策と米中交渉進展を期待

 

大幅に上昇した中国株式市場(2019年3月)

20190307ch1

 

【ポイント1】2月の中国株は大幅高

■2月の中国株式市場は総じて大きく上昇しました。米中通商協議が進展し、米国の追加関税引き上げが延期されたことや、中国政府の景気対策期待から、投資家のリスク選好姿勢が強まりました。米指数算出会社MSCIが、「新興国株指数」に採用している中国本土A株の組み入れ比率を拡大するとの期待も相場を押し上げました。代表的な株価指数の上海総合指数は月末に2,940ポイントで終了し、昨年6月以来の高値水準となりました。セクター別では米中通商協議の進展期待などから情報技術などが大幅高となりました。

【ポイント2】全人代では経済成長の質向上を目指す

■李克強首相は3月5日に始まった全国人民代表大会(全人代)で政府活動報告を行い、2019年の経済成長率目標を6.0~6.5%に設定し、2018年の6.5%前後から引き下げました。李首相は、成長率引き下げは、質の高い経済発展を目指す政府の方針を反映していると述べ、産業の高度化を通じて経済成長の質向上を志向していることを示しました。また、政府は、より積極的な財政政策の方針と、金融政策については「穏健」とする方針を確認し、景気を下振れさせない意図を明らかにしました。

【今後の展開】当面は一進一退の展開、中長期的には上昇へ

■株式市場は、急激な相場上昇後でもあり、短期的には現状水準での一進一退の展開が予想されます。ただし、中国政府による景気刺激策により、年後半から景気は緩やかに持ち直すとみられます。また、全人代で打ち出された経済運営方針は、構造的問題解消のためのデレバレッジ方針を維持しつつ、EV化など環境対応、5G、AI、IoTの推進など産業の高度化を同時並行で進める政策です。持続的な経済成長実現には整合的と考えられ、中長期的な株式市場の上昇につながると期待されます。米MSCIが2月28日に、「新興国株指数」における中国本土A株の組み入れ比率の引き上げ予定を発表したことも相場を支えそうです。

(2019年3月7日)

印刷用PDFはこちら↓

大幅に上昇した中国株式市場(2019年3月)景気対策と米中交渉進展を期待

関連マーケットレポート

2019年03月05日 2019年の中国『全人代』の注目点
2019年02月20日 中国で進む『NEV』シフト、深センの事例

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会