来週の金融市場見通し(2024年5月20日~2024年5月24日)

■来週の見通し

注目された4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回ったことなどを受け、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げ開始が改めて意識されました。もっとも、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はFRBが掲げる2%の物価目標に近づけるという確信は得られていないと、慎重な姿勢を示しました。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に加え、米半導体大手エヌビディアの決算発表、全国消費者物価指数などを確認しながら方向感を探ることになりそうです。

◆株価 : エヌビディア決算に注目

来週はエヌビディア決算発表を受けて、変動が激しい展開となる可能性があります。エヌビディアの決算は堅調な内容となる見込みですが、同社の株価は高値圏にあり、ある程度堅調な業績を織り込んでいるとみられます。そのため、市場予想を下回る決算が発表されると、同社を含めて半導体関連株が下落し、日本株にも下落圧力がかかる恐れがあります。ただ、円安を背景に外国人投資家の資金流入が継続しており、株価の下落は限定的となりそうです。

◆長期金利 :低下しにくい

日銀が国債買入れオペで長期債の購入額を減らしたことを受け、早期の政策正常化が意識され、長期金利は上昇する動きになりました。もっとも、利下げ期待から米金利が低下したことを受け、国内の長期金利は上げ幅を縮小しました。市場では日銀が国債の買入れを減らしていくとの観測は根強く、国内金利は低下しにくい状況です。来週は米金利の動向に加え、国内のCPIなどを確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替:底堅い

ドル円は、底堅い展開が続きそうです。足元はやや弱い米景気指標が散見されるものの、基本的には堅調な米景気やインフレの高止まりを背景に、利下げ開始は早くとも 9月以降となる可能性が高く、日米の実質金利差は引き続き強いドル買い要因となりそうです。また、イエレン米財務長官から、主要7か国(G7)による為替介入について否定的な見解が示されたこともあり、日銀の介入警戒感がやや後退する中、ドル円の底堅い地合いは継続しそうです。

◆Jリート :上値を探る

先週の植田日銀総裁による利上げタイミングの前倒しに関する発言や日銀の国債買い入れオペの減額などを背景に国内長期金利が上昇する中、下落しました。毎月分配型投信の決算対応の換金売りが継続したことも下押し圧力となりました。国内金利の上昇は重しとなるものの、米金利が低下していることや、割安感に着目した底堅い買いも期待されることから下値も限定的で、徐々に上値を探る展開を見込んでいます。

来週の注目点

全国消費者物価指数(4 月) 5 月 24 日(金) 8 時 30 分発表

全国の消費者物価指数 (生鮮食品を除くコアCPI)は3 月に前年比 2.6%上昇と、2 月の同 2.8%上昇から伸びが鈍化しました。生鮮食品を除く食料品の伸びが鈍化したことがコアCPIを押し下げました。

4 月のコアCPIは、前年比 2%台の上昇率が見込まれます。引き続き教養娯楽費などが物価を押し上げそうです。今後も当面、賃金の引き上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は 2%程度で推移すると予想されます。

ユーロ圏製造業PMI(5 月)  5 月 23 日(木) 17 時 00 分発表

4 月のユーロ圏製造業購買担当者景況指数(PMI)は45.7 と前月の 46.1 から低下し 2022 年 7 月以来、22 か月連続で活動の拡大縮小の境目とされる50を下回りました。他方、総合PMIは 51.7 と 2 か月連続で 50 を上回りました。

ユーロ圏では、ロシア・ウクライナ紛争の悪影響に加え、中国景気の減速などの影響から、製造業を中心に先行き不透明感が強い状況が続いています。欧州中央銀行(ECB)は 6 月に利下げを実施する可能性が高いものの、製造業指数は当面、低迷が続きそうです。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
来週の金融市場の見通し、注目点を、コンパクトにまとめてお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会