来週の金融市場見通し(2024年1月8日~2024年1月12日)

2024/01/05

■来週の見通し

日銀金融政策決定会合(12月開催)の主な意見では、金融政策の正常化を急がない姿勢が示されました。また、能登半島地震を受け、1月にもマイナス金利解除との観測が一段と後退しました。他方、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月開催)で、景気抑制的な政策スタンスを当面維持するのが適切との姿勢が示されたことなどから、早期の利下げ観測がやや後退しています。来週は5日発表の米雇用統計を受けた米金融市場の反応、また米消費者物価指数(CPI)、米銀決算なども確認したいところです。

◆株価 :上値の重い展開か

日本株は、上値の重い動きとなりそうです。今週は12月のFOMC議事要旨が発表され早期の利下げについて慎重な見方が示されたことや、米労働市場の底堅さを示唆する経済指標の発表を受けて、米利下げ観測が後退しました。また、5日発表の雇用統計などを受けて一段と利下げ期待が低下すると、米長期金利が上昇し、株価を押し下げそうです。ただ、日銀の金融政策修正観測が後退し、国内金利が低水準で推移していることは株価を支えそうです。

◆長期金利 :もみ合い継続か

12月の日銀会合の主な意見で、政策変更について「来春の賃金交渉をみて判断しても遅くない」などの意見があったことや、能登半島地震が経済に与える影響を見極めるため、日銀が1月の会合で政策修正を見送るとの観測が強まり、長期金利は上昇しにくくなっています。他方、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測も後退しており、国内金利の低下も限定的になりそうです。10年国債入札も確認したいところです。

◆為替方向感欠く

ドル円は、レンジ内で方向感を欠く展開となりそうです。米インフレが鎮静化傾向を示す中、今年前半の米利下げ観測は強いものの、昨年末時点の利下げ期待の織込みは行き過ぎとの見方も広がっており、米長期金利の低下は一服しています。また、能登半島地域の地震を受け、今年早期の可能性が見込まれていた日銀のマイナス金利解除が困難になるとの見方も浮上しています。そのような環境下、ドル円はレンジ内で方向感を欠く展開が見込まれます。

◆Jリート :一段の戻りを探る

年明けは能登半島地震が消費や企業業績に影響するとの警戒などを背景に株式相場が下落する中、Jリート市場も売りが優勢になったものの、翌日には買いが優勢になり、東証REIT指数は約1か月ぶりの水準まで上昇しました。地震のJリートへの影響は限定的とみられることや、日銀が早期にマイナス金利解除などに動くとの観測が後退していることは下支え材料です。値固めをしながら一段の戻りを探ることも想定されます。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(12月) 1月9日(火) 8時30分発表

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は11月に前年比2.3%上昇と、10月の同2.7%上昇から伸びが鈍化しました。政府のエネルギー価格抑制策を受け、電気代が同20.1%下落したことがコアCPIを押し下げました。

12月のコアCPIも、前年比2%台前半の上昇率が見込まれます。引き続き、生鮮食品を除く食料の価格上昇などが物価を押し上げそうです。今後も当面、賃金の引上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は2%を上回る水準で推移すると予想されます。

米消費者物価指数(12月) 1月11日(木) 22時30分発表

11月の米消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比3.1%の上昇となり、前月から伸びが鈍化する一方、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比4.0%の上昇と、前月並みの伸びとなりました。

米連邦準備理事会(FRB)が進めてきた利上げなどの影響を受け、米インフレは緩やかながらも鈍化傾向にあるとみられます。とはいえ、米労働市場の過熱感は後退しているものの底堅く推移しており、今後のインフレ低下も極めて緩やかなものとなりそうです。12月は総合で前年比3.3%程度、コアは同3.8%程度の伸びを想定しています。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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しんきん投信「来週の金融市場見通し」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
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